YAH YAH YAH!! 伝説のDAVID FOSTER & FRIENDSが12年ぶりにやって来た!
音楽(界)のアインシュタインが奏でる指先によって、旋律の宝石箱が開かれたような煌めきと眩しさをおぼえた公演だった。6月22日の黄昏時、大宮ソニックシティ大ホールで催された〈HITMAN DAVID FOSTER & FRIENDS(ASKA、キャサリン・マクフィー、ピア・トスカーノ、宮﨑薫)〉。開演直前の座席背後から「具体的な曲名は知らなくても、大半は聞き覚えのある作品だろうから大丈夫」と、連れを気づかう男性客の声が耳を擽った。
幕開けのビデオ・モンタージュが、その助言を補って余りある濃色さだった。ホイットニー、EW&F、チャカ・カーン、シカゴ……許される限りの所縁アーティストらの代表曲やサントラ映像が数秒単位で絶妙に織り込まれ、天才職人の足跡を端的に伝えてくれる。次いで今宵のホスト選出による3人の歌姫たちが華麗なドレス競演でセリーヌ・ディオンやホイットニーやドナ・サマー、あるいは匠の斬新なアレンジで新装のスタンダード曲をお披露目。合間に挟まれるヒットマンの軽妙な洒脱トークが、伝説のツアーで磨き上げられたアメリカ式エンタメ力の流麗さを体感させる。
セリーヌの楽曲秘話動画を背景にピアが“All By Myself”を熱唱し終わると、喝采の余韻の中、休憩も挟まずに観衆の誰もが待ち望んでいたASKAが登場。まずはこの場に立てる歓びを日本語で話し始めたASKAを「いやいや、今夜は英語で頼むよ」と笑顔で制止したマエストロ。
1曲目の選曲は“The River”。先ほど愛娘・薫が熱唱したセリーヌの“To Love You More”が日本のドラマ主題歌をデヴィッドが手掛けて話題を呼んだ大ヒット曲ならば、こちらも飛鳥涼の筆でのちに英語版も吹き込まれたドラマ主題歌。文字どおりの〈ヒットマン対決〉で、昨春の〈ASKA & DAVID〉公演が新たなトライ作品で再現されたかのような滑り出しだった。
前回の共演を「じぶんの音楽人生においてゴシック体、太文字の記録ですよ。明朝体ではない」とASKAは語り、“PRIDE”制作時に「シカゴの、デイヴィッド・フォスター風で行くよ」と澤近泰輔に依頼した事を述懐し、「それを今度はその人(デイヴィッド本人)が弾いてくれるわけだから」と歓びをその口にしていた。当日の3曲目は件のコラボ作品、“Pride / Hard To Say I’m Sorry”、それを受けて「もう少し僕の作品を(笑)」との匠リクエストでボズの名作を。
ASKAが「まだ、時間はある?」と今回もアドリブの創作シーンを披露した後は、事前の話題沸騰で注目された“YAH YAH YAH”のスペシャルなイントロが流れた。その途端、ほぼ総立ちの満場景色が拡がった!
「既に知ってはいたけれども、ASKAがどれだけ皆に愛されているかを目の当たりにした。彼はパフォーマンスに全力を注ぎ、観衆はそれに熱狂的に応えた」、前公演後のデイヴィッドの談話だ。「偉大なアーティストが僕の隣りにいると実感したし、こんな素敵なアーティストに影響を与えたという事実を肌で感じて嬉しかったよ」、その想いがあってこその再演成就(大宮公演は即日完売)だろう。
大歓声が鳴りやまぬ中、オール出演者が出揃って何を歌い、アンコールの模様が一体どうだったのか――それは来たる26日(水)、大阪・フェスティバルホールの同公演を心待ちしている方々のために敢えて伏せておこう。“YAH YAH YAH”1曲で幾分〈持っていかれた感〉が漂う会場内の空気を、一瞬にしてじぶんの作品世界へ塗り変えた巨匠の締めっぷりはいかに……一向に止まぬ観衆の熱狂ぶりは最後の最後、プレジデント然とした貫禄のデヴィッドから「Go home! Please」という笑顔の最大冗句を引き出した、とだけ記しておこう。DAVID & ASKAの世界がさらに深化する大阪公演に注目だ!
LIVE INFORMATION
HITMAN David Foster & Friends ASKA, Katharine McPhee, Pia Toscano, Kaoru Miyazaki
2024年6月26日(水)大阪・フェスティバルホール
開場/開演:17:30/18:30
出演:デイヴィッド・フォスター(ピアノ)/ASKA/キャサリン・マクフィー/ピア・トスカーノ/宮崎薫
■Friends Band
ジョン “JR” ロビンソン(ドラムス)/ボー・クーパー(キーボード)/ジェイミー・ウィルソン(ギター)/マイケル・ニン(ベース)/デイビッド・ネグレテ(サックス)
■チケット(全席指定/特製プログラム付)
18,000円(税込)残席僅少!!
お問い合わせ(YUMEBANCHI):06-6341-3525(平日12時~17時)
公演オフィシャルサイト:https://www.bluenote.co.jp/jp/lp/david-foster-2024/