〈いままでにないNegicco〉な3曲

――ニュー・シングルの話をしましょう。久々のリリースですね。

Nao☆「約10か月ぶりで。本当は結成月に合わせて7月リリース予定だったんですけど、なかなかレコーディングもできない状況だったので」

Kaede「まず“さかさま”を録って、そこから結構空いたあとに2曲録った感じです」

Nao☆「“午前0時のシンパシー”を最初に録る予定だったよね? 東京に行くことも、一十三十一さんに新潟へ来てもらうこともできないので、それで順番的には“さかさま”を先に録りました」

――では“さかさま”からいきましょうか。沖野俊太郎さんが作編曲でconnieさんが作詞のこの曲は構成がユニークだなと思っていて。

Kaede「1番と2番の歌詞が一緒なんですよね」

――まったく同じ歌詞を繰り返すのが面白いですよね。

Kaede「歌割りとメロディが変わるから全然気付かなったよね? 最近言われて、そういえばそうだったって気付いたくらいで」

――意図は聞いているんですか?

Megu「聞いてないです。大事なことだから2回言った。いや、違うかな(笑)」

――曲調としては。

Nao☆「ネオアコです!」

――覚えたての言葉を言わされてる感が若干(笑)。

Nao☆「ゆっきーから〈ネオアコです〉って来たんですよ。おー、ネオアコいいじゃんって(笑)」

Kaede「耳に残りますよね。繰り返しても飽きない、延々と聴いていられる曲で。聴けば聴くほどよくなる曲だと思います」

Nao☆「“江南宵唄”みたいに英語っぽく歌う感じの曲で。それが難しかったです」

Kaede「connieさんからは日本語っぽくハキハキ歌わないでほしいと言われました」

Nao☆「リズムに合わせるというよりはちょっと遅らせて歌うというか」

――洋楽っぽいんですよね。振り付けに関してはどうですか?

Nao☆「動かないけど動くみたいな」

Kaede「サビはあまり動かないよね」

Megu「どっちかというと伝えるみたいなイメージのダンスです」

Nao☆「Negiccoはニュアンスが苦手というか、自由に表現するみたいなのが恥ずかしくて、いままでだったら棒立ちで歌っちゃうみたいなことも多かったんですけど、そういう部分も任されるようになったなと思います」

――表題曲の“午前0時のシンパシー”は一聴してこれまでと違うとわかる曲で。これは作詞が一十三十一さんで、編曲がPARKGOLFさんで、作曲はそのお二人の共同名義です。

Nao☆「かっこいいです。音は違うけど、雰囲気は“矛盾、はじめました。”に繋がるものがあるのかなと思ってます。女性らしいというか、女性が関わっているのを感じました。色っぽさを感じて」

Megu「Negiccoは大人の女性に憧れる女性だもんね」

――みなさん大人じゃないですか。

Kaede「年齢的には大人だけど、大人っぽいという意味での大人じゃないというか。いつまで経っても親戚の子というか(笑)。色気とかと遠い感じがするので」

――そんなNegiccoだけれども、この曲ではそこを表現している。

Megu「そこは意識して歌いました」

――一十三十一さんとのレコーディングはいかがでしたか。会ったときの印象とか。

Nao☆「顔ちっちゃい」

Kaede「すごく華奢で」

Megu「マスクして来られたんですけど、それでも大人の色気がダダ漏れでした」

Kaede「キラキラしてたよね」

――芸能人に会ったみたいな感想(笑)。

Nao☆「ふふ(笑)。でも芸能人だったよね」

Megu「ホントにそんな感じ」

――ヴォーカル・ディレクションに関してはいかがでした?

Megu「“さかさま”と逆ですね。“さかさま”が流れるように英語っぽく歌ってほしいというオーダーだったんですけど、私が一十三十一さんに言われたのは、言葉をひとつひとつ置くように歌ってほしいということで。力を抜いて、優しく、吐息が混じるように大人っぽく歌うのを意識しました」

――レコーディングの時点でPARKGOLFさんのアレンジはどのくらい完成していたんですか?

Megu「80%くらいみたいです。レコーディングはパーゴルさんも来てくれました」

――ほぼこのトラックができた状態で歌っているんですね。仕上がりを聴いてみていかがでしたか。

Nao☆「先に一十三十一さんの歌を聴いていたので、自分たちはこんなに大人っぽく歌えるかなとか、曲に歌わされるんじゃなくてちゃんと歌えてるか心配だったんですけど、終わってから一十三十一さんが〈かっこよかったです〉って言ってくれて。完成を聴いたときも私たちの声がマッチして、新しいシングルとしてたくさんの人に広がっていけるかなと思いました」

Megu「デモでもらったときは完全に一十三十一さんの曲という感じだったので、この世界観に入るのは大丈夫かなって不安だったんですけど、完成を聴いてみたら一十三十一さんの世界に混ざることができていて。すごく嬉しい気持ちです」

Nao☆「こういう曲を作ってくださったのが嬉しいよね。Negiccoにはまだ早いよねってなったらこういう曲にはなってなかったと思うので」

――この曲はファンのかたのリアクションも大きいんじゃないでしょうか。

Megu「〈ネギStyle〉っていうNegiccoのラジオ番組で初オンエアしたんですけど、反応をいっぱいもらっていて。ジャケット写真とかアーティスト写真も含めて〈いままでにないNegiccoだ〉ってみんなも驚いてました」

Kaede「ファンの人以外でもラジオでかかったときに、〈これ誰の曲だろう?〉って引っ掛かる曲なのかなとは思います」

Megu「そういえば、ファンの人の感想を読んでたら〈知ってるNegiccoが遠くに行っちゃった〉みたいな意見もあってびっくりしました(笑)。急にガラッと変わったからかな」

――個人的にはそのくらい攻め攻めのほうがワクワクします。今回のシングルは全体的にそうですよね。connieさんが作詞・作曲、CRCK/LCKSがアレンジの“Sneakers!!!”もまたほかの2曲とは違うアプローチですよね。

Nao☆「小田(朋美)ちゃんが仮歌を歌っていて、小田ちゃんの語りかけるような歌いかたがその時点で完成されているというか。私はこの曲が一番苦戦しました」

Megu「リズムの取り方も難しいですし」

Kaede「サビ以外は音数が少ないのか。途中途中が複雑なところがあって、楽しいけどバンドさんが大変そう」

Megu「たしかにライブで聴いたら楽しそう。歌っててもすごく楽しい曲で、ライブによって表現も変えられるかもしれないなと思います。〈なまNEGIなまごめなまたまGO!〉のところとかね」

Kaede「あれをわざとつっかえる感じで歌うのが一番難しかったかも。言えちゃうから」

Megu「たどたどしく歌うっていうディレクションだったからね。私は普通につっかえましたけど(笑)」

Nao☆「ファンの人も言える準備をしておいてもらいたいです。かっこいい歌詞の2曲が続いて、もし私たちが遠くなっちゃったと感じたとしても、この“Sneakers!!!”でNegiccoはやっぱり近くにいるんだなと思ってほしいです」

Kaede「“Sneakers!!!”を聴いたらまた頭に戻って“午前0時のシンパシー”から聴きたくなると思う。繰り返し聴けるマキシシングルになっている気がします」

――いい感じにまとめていただき恐縮です。最後にシングルとは別のことを訊いていいですか? connieさんのソロ『VOICES II』も同日発売ですよね。

Megu「ライバル!」

――ライバル(笑)。作っていることを知らなかったんですよね。

Kaede「まったく知らなかったです。自分たちのリリースもあったし、Nao☆ちゃんも私もソロのリリースの準備をしてたから、いつの間に録ってたんだろうっていうくらいで」

Megu「ゲスト・ヴォーカルのみなさんもすごいラインナップですよね」

――前作を聴いたときはNegiccoにこの曲が欲しいと言ってましたよね。

Nao☆「“グリッター”欲しかった(笑)。でも小田ちゃんが歌ってるからかっこいいんですよね」

小田朋美をフィーチャーしたconnieの楽曲“グリッター”
 

Kaede「そうそう。今回もそれぞれの人に本当に合った曲になっていて。(高橋)麻里ちゃんの曲とか、すごくかわいらしいんですよ。全部めちゃくちゃいいです」

Megu「connieさんに〈Negiccoがいたから、そのご縁でみなさまと出会えた〉ということを言われたのが嬉しかったです。ある曲にはNegiccoの曲とリンクしているような部分も散りばめられていて、そういう繋がりもあるので嬉しいです」

――それはチェック必須ですね。といったあたりでそろそろ時間なのですが、今後のことを聞いても予定は立てづらい状況ですよね。

Nao☆「いまを生きる!」

Megu「いまを生きる(笑)」

――そうとしか言いようがない(笑)。

Kaede「会えない日は続きますけど、インターネットでもなにかしらやると思うので」

Nao☆「うん。こういう状況だけど、なにかをなくしていくんじゃなくて、別のことをやったりする方向に変えていきたいですね」