かつてない苦難を乗り越えて逞しくなった8人が、さまざまなエモーションとチャレンジを詰め込んだ初のクアトロA面シングルについてたっぷり語ったよ!
活動4年目に突入した2020年のアップアップガールズ(2)。アップアップガールズ(仮)姉さんたちの全力マインドを受け継ぎつつ、妹分らしい愛らしさを振りまいてきた彼女たちにも大きくフォローの風が吹きはじめたなか、年初には8枚目のシングル『世界で一番かわいいアイドル/し・て・る・も・ん』をリリースし、オリコン週間シングルランキングで8位、タワーレコードの邦楽週間チャートでは1位という、過去最高のチャート・アクションを記録。2月からはメンバーの地元を巡る凱旋ツアー〈アオハル し・て・る・も・ん〉もスタート。ただ、そんな好況下で新型コロナウィルスが蔓延することとなり……。
アイドルの存在意義
高萩千夏「〈ツアーを成功させて夏に繋げるぞ! 去年よりも大きいステージでライブするぞ!〉って意気込んでいたところではありましたからね」
鍛治島彩「日々のニュースもそうですけど、徐々に思うようにいかなくなるのがすごく怖かったです。外に出られなくなって、あれができない、これもやめたほうがいいって、何かがどんどんなくなることが不安でした。でも、自粛期間になってすぐ、ファンの皆さんが配信番組を通じて〈ライブが観られなくてホントにつらい〉とか〈かじぃ(鍛治島)に会えないのが寂しい〉とかコメントをくださって、アプガ(2)を生き甲斐にしてくれている人がたくさんいるっていうことに改めて気付かされたんです。そのおかげで、前向きな気持ちに切り替われました」
佐々木ほのか「受験生なので勉強も大事なんですけど、自分たちの元気な姿っていうか、〈私はこんなことをして楽しく過ごしてるよ〉って皆さんにどうやったら伝えられるかを考えてました。私は物事を深く考えることがあんまりなかったので、ここをもっとこうしたらいいんじゃないかとか、この期間に自分自身と向き合うことも多くなって、いつもの活動ができなくて悲しい日々だったんですけど、少し成長できた期間でもあったんじゃないかなって思っています」
森永新菜「イベントが急になくなってしまい、驚きの気持ちとファンの皆さんが離れていってしまうんじゃないかっていう不安もあって、けっこう悩んじゃったりすることが多かったので……そうですね、みんな考える時間は増えたと思います。いままでありがたいことにすごく忙しくさせていただいて、何かに対してじっくり考える時間があまり取れなかったですから、この期間に悩みだったりを友達と電話で話したり、この先どういうふうにすれば自分がポジティブに生きていけるかとかを心理学的なことまで調べてみたり、たくさんインプットする期間になりましたね」
97年7月4日生まれ。福島出身。リーダー。特技は料理、振り付け、とにかく美味しそうに食べること
悩んでいたって始まらない。ライブができないぶん、SNSや動画サイトで発信する内容もこれまで以上に充実させ、歌やダンス、弾き語り、グルメ、趣味──8人それぞれがキャラクターを際立たせながら、ファンのみんなとの繋がりをキープする……いや、むしろ強くするぐらいの熱量で、(2)は自分たちのナウを届けてきた。
新倉愛海「SNSだったり配信だったり、いまの時代に合ったものと言いますか、そういうものを使って毎日リレー配信を全員で始めるようになったりとか、私自身はSNSを活用してファンの方とコミュニケーションを取りたいなってずっと思っていたので、新しいことを始めるきっかけになったなって、すごく前向きに考えるようになりました」
島崎友莉亜「こんなときこそ元気を与えられる、やはりアイドルの存在意義は大きいだろうなって思ったので、応援してくださる方に元気を届けていけたらいいなってがんばりました。私自身も学校がオンライン授業になったりして、人と接する機会が本当に少なくなってしまったので、普段からメンバーと話してることやファンの皆さんとコミュニケーションを取る時間って、本当に大切なものなんだって改めて気付きました」
彩「いままで通りのことができないなら……って思いついたのが、家をライブハウスにすることだったんです。ギターは趣味でやっていた程度だから、人前で演奏したいって思ったことはなかったんですけど、とにかく自分らしい何かを届けようって死に物狂いで考えたなかから出た一手でした。自分で何かを始めなければならないって試されたときに、ギターの弾き語りで自分が歌うっていう、いままで考えたことのないアイデアを示せたのは、ポジティブな考えのなかで生まれたことですね。一人で歌っていても、何よりメンバーと一緒に早くライブがしたいなって、そればかり思っていました」
中川千尋「自粛期間中、私は静岡の実家にずっといたんです。東京のみんなは何してるんだろう?ってずっと考えながら、静岡からも何か発信できるようになりたいって、おうちでグリーンバックを使ってMVを作ってみたりとか、普段メンバー同士では行かないだろうと思って近くの山に行ったり、カブトムシを捕りに行ったり、苦手なパクチーを食べたり……っていうのをYouTubeで配信して。普通にツアーしてCDをリリースしてって活動してたら、絶対パクチーなんて食べてなかったですよ(笑)。でも、パクチーも食べられるようになって、私はこんなに成長してますよっていうのを伝えられたんじゃないかなって思ってます」
98年5月28日生まれ。秋田出身。特技はスケート、ダイビング
吉川茉優「個人的にアウトドア派なので、家にずっといるのがただただ息苦しかったです。歌うのがすごく好きなので、思いっきり歌ったら隣の部屋の人に壁ドンドンされちゃうし(笑)、それがすごく寂しかったですね。なので、家のロフトに上がってアカペラで歌ったものを撮って、それを投稿したりしてました。歌わないと私も生きていけないし、ファンの方も喜んでくださったので、この自粛期間でも歌い続けてよかったなって」
千夏「私は、家の中で歌ったり踊ったりっていうことができないので、ちょうど〈おうち○○〉っていうのも流行っていたし、料理が好きだから〈#おうちカフェ〉とか〈#おうち居酒屋〉とか、そういう面をみんなと共有したいなと思ってInstagramに上げてました。こういうときこそネットでどれだけ注目されるかみたいなところがあったので、YouTubeでの企画もいろいろ考えましたし、いろんな方のを参考にしつつ必死になって発信してます。私服姿もかなり出しましたし(笑)」
やらかしても元気になれる〈魔法の曲〉
ステージでパフォーマンスする機会も徐々に取り戻されるなか、同じように待ち望まれていたのが新曲のリリースだ。ライブだけでなく作品のプロモーションもままならないのはどのアーティストにとっても大きな悩みだが、彼女たちは今回クラウドファンディングによるCD制作とリリイベに代わる施策を実行。配信のみではなく、こういう時期だからこそ手に取って愛着を持ってもらえる〈形〉にして届けることを大切にしたいという思いから、初めての手法を試み……結果は見事に目標額の130%超を達成! そして届いたのが、4曲すべてがA面扱いとなるクアトロA面シングル『どのみちハッピー/雨に唄えば/愛について考えるよ/エンドロール』である。まずは、“どのみちハッピー”。〈ああもう~、また失敗しちゃったよぉ! でも、人生は一度きり、がむしゃらに生きてやるんだからーーーーー!〉というセリフの乗っかる軽快なイントロからポジティブさが加速する、(2)には珍しいスカ調のナンバー。作詞はハロー!プロジェクト作品も数多く手掛けるシンガー・ソングライターの山崎あおい、サウンド・プロデュースはお馴染みのmichitomoだが……作曲は初めてメンバーの鍛治島彩が担当!

アップアップガールズ(2) 『どのみちハッピー! / 雨に唄えば / 愛について考えるよ / エンドロール』 T-Palette(2020)
──いつの間に才能を磨いていたんですか!
彩「作曲にすごく興味があって趣味で始めていたんですけど、初めて1曲できたときに、これを(2)で歌えないかなと、ふと思ったんです。プライベートで作ったものではありますけど、いつも考えてることは(2)のことばかりなので、(2)に歌ってもらえたら私は成仏できるな~って(笑)」
──成仏って(笑)。
彩「断片的なフレーズが浮かんだらその都度録音するようにしていたんですけど、ここまで丸ごとボンと形にできたのは初めてだったので、自分のソロ曲としてどこかで披露することもできたんです。私も勉強不足のところはいっぱいあるし、このまま出していいのかっていう不安はあったから。でも、メンバーに歌ってもらいたいっていう気持ちがすごく強くなって、ダメモトで社長に相談してみたんです。そしたらまさかのOKが出て、michitomoさんにアレンジをしていただけるってことになって、(2)の曲にしますっていうことが決まったところで歌詞も作っていただいて、それからみんなに言いました」
──詞やアレンジの部分にもかじぃさんの意見が盛り込まれてるんでしょうか?
彩「私は東京スカパラダイスオーケストラさんのファンだったので、私の希望でスカのアレンジにしていただきました。いままでいろんな曲を歌わせていただいてるんですけど、やっぱり原点はいろんな人の笑顔を作りたいってことだったし、もちろん失敗することはたくさんあるから、そういうのを引っ括めて元気になれる曲を歌ってみたくって。スカってどんな曲調でも元気になれるし、新しいことをやってみたい気持ちもあったので、ファンの皆さんと一緒に歌えるパートを作ってみたりとか、いろいろ仕掛けてみました。あと、後半に8行の歌詞があって、そこは一人一人が回していくパートなんですけど、この子しか歌えないだろうな、この子だったら大切に歌ってくれるだろうなって、メンバーが作るからこその歌割を考えてみました」
99年7月21日生まれ。千葉出身。特技は鼻リコーダー、バスケットボール
──かじぃさん、もはやプロデューサーと言ってもいいですね。他の皆さんは最初に聴いたときどんな印象でした?
茉優「最初は歌うのが難しいなって思いました。リズムも音程もなかなか身につかなくて、かじぃは絶対音感があるからこんな難しい曲を考えられたんだなって思って。でも、ライブで歌ったらめっちゃ楽しいんですよ。なんか、(2)の過去の曲ひっくるめていちばん楽しいです、この曲。ライブができない期間があっての披露だったので、いろいろな思いも乗っかっていたと思うんですけど、それを抜きにしても歌っていて本当に楽しい曲です。つらかった日とか楽しかった日の思いが詰まっていて、それをメンバーも歌い踊りながら噛み締められている、共有できているから、こんなに楽しいのかなって思いました」
千夏「私も難しいっていうのが第一印象で、こんな曲よく作ったねって思ってたら、ここは絶対ムリって思ってたパートを割り振られたから、ん~もう!って(笑)。メロディーの上がり下がりが激しくて、音を取るところから苦戦したから、もう、何回聴いたんだろう」
彩「自分でも難しいと思ったもん、これ歌えないわって(笑)」
茉優「あと、久々に〈Lalala……♪〉が入ってる曲がきたなって思った」
彩「〈Lalala……♪〉はファンの人のパートっていう意味で入れたんです。私たちが一所懸命歌って、ファンの方にも歌ってもらって、ファンのみんなも(2)のメンバーだよみたいなことを伝えたかったんです」
茉優「でも、ファンの皆さんはしばらくライブで声が出せないから残念です」
新菜「私、日々やらかすことやマジついてないなってことが多いんですね。乗りたい電車を逃したり、人の名前をずっと間違えて呼んでたり、ってことがけっこうあるんですけど、そのたびに脳内再生される曲なんです。ひとまず笑っとこうかって、ちょっとやらかしてもこの曲で元気!元気!ってなれるので、なんか魔法の曲だなと思いました」
04年9月3日生まれ。静岡出身。特技は極真空手、バイオリン
──(2)のことをめちゃくちゃ好きな人が作った曲っていう感じが伝わります。
一同「おおーっ」
彩「負けないです、誰にも」
千夏「かじぃが絶対いちばんの(2)ファンだよね」
彩「おうちで気持ち悪いぐらい動画観てますから、私(笑)。〈カワイイなあ〉とか、よく言ってます」
新菜「自粛明けで久しぶりにメンバーと会ったとき、私も〈ホント、アイドルってカワイイんだなあ〉って思って、その話をかじぃにしたら〈私、ずっと思ってるよ〉って(笑)」
最初から最後まで目が離せない
続く“雨に唄えば”はカバー曲で、ファースト・アルバム『アオハル1st』で名曲“ブルースカイブルース”を手掛けていた気鋭のネット系バンド、からっぽペペロンチーノがオリジナル。男女の別れをテーマにしたアンニュイなギター・ロック・ナンバーだ。振付けは、今年5月にGANG PARADEを脱退してフリーの振付師として活動を始めたばかりのカミヤサキが担当している。
──これはまた、いままでの(2)にはないタイプの曲ですよね。
ほのか「からっぽペペロンチーノさんには、いつも新しい(2)を見せることができる曲をいただくので、今回もどんな曲なんだろうって楽しみにしてました。雨音から始まる曲で、そういうのって私はあまり聴いたことがなくて珍しいなって思って、その雨の音がすごくいい音なんです。ひとつひとつのリズムの音もすごくいいので、言葉とかメロディーも大事なんですけど、後ろの音にも注目して聴いていただけたらなって。ちょうど梅雨の頃に初めて音源をいただいたんですけど、雨が嫌いだったのに、この曲聴いて〈雨っていいな〉って思いました(笑)。また新しい発見がありましたね」
06年1月30日生まれ。福岡出身。特技はダンス、博多弁、空手
千夏「斬新ですよね、雨の音。イヤホンでも聴いてほしいです。私も、おうちでイヤホンを耳に挿しながら、すごくいい雨音が聞こえるな、イントロ始まるな……って思ったら、部屋の窓が開いてました(笑)」
千尋「曲の感じは、けっこう現代的なアイドル・ポップというか……曲をいただいて、一度ひとりで歌ってみたのを先生に聴いてもらったら〈いいじゃん!〉ってことを言われたので、これ、みんなで歌ったら〈もっといいじゃん!〉になるんじゃないかなって思って。サラッと歌っちゃいけない曲なんですけど、アクセントをつけすぎてもいけないし、雨の音に合わせて歌うところがこの曲の難しいポイントかなって思います」
友莉亜「最初にからっぽペペロンチーノさんの透明感ある歌声を聴いていたので、(2)が歌ったらどういう感じになるのか想像つかなくて。自分たちなりに歌うにはどうしたらいいのかなってたくさん考えながら歌いました」
愛海「一人でギターを持って弾き語りしているようなイメージが私にはあったので、これを(2)としてどうやって色づけしていくかっていうのはすごく楽しみでもあったんですけど、実際に歌のレッスンや振り入れを経て、からっぽペペロンチーノさんの原曲とはまた違う(2)らしい感じが出せたんじゃないかと思ってます。早くライブで観てほしいです」
01年6月16日生まれ。東京出身。特技は韓国語、ダンス。今年の「ミスインターナショナルジャパン」でWEBジェニック賞を獲得!
茉優「振付けをしていただいたカミヤサキさんには、ちゃんとお会いするのが初めてで。いままでの(2)の振りにはない感情的な表現というか、BiSさんやGANG PARADEさんみたいなエモーショナルな感じになりました」
千夏「カミヤさんには〈その日の気持ち、それぞれの気持ちで踊っていいよ〉って言われました。〈正解というのはないから、そのときにこうやりたいって思った形で感情を入れて〉って」
茉優「千夏と私でカップルみたいな関係で踊るところがあるんですけど、そういうのもすごく新鮮で」
千夏「最後は私たち2人だけ後ろ向きで目を伏せるんですけど、そこまでがすごく物語チックになっていて、振りは最初から最後まで目を離せないところですね」
大きな形の愛
3曲目の“愛について考えるよ”は、お馴染み児玉雨子の作詞でmichitomoのプロデュースによるハートフルなナンバー。一年前には想像もできなかった状況を過ごすいま、改めて〈日常〉と〈愛〉を考える……正解はないけれど。
──めちゃくちゃあったかい曲ですね。
千夏「そうですね。初めて大々的なハモリ、オケとかじゃなくて生歌でハモリをやった曲なんですけど、ライブのとき、最初の〈愛について考えるよ♪〉のところでファンの方の顔を見た瞬間、泣きそうになりました。振り付けも私が後ろから入っていくんですけど、〈ああ、いろいろ考えちゃうな〉って思いながら歌ってます。そのあとAメロに入って曲調が明るくなったり、サビのハモリのところで落ち着いたり、全員で歌うところで明るくなったり、その起伏が私的には楽しいなって思う曲でした。児玉さんの歌詞も大好きです」
千尋「曲をいただいたのが3月ぐらいだったんですけど、皆さんにまだ披露していないときに、ずっとこの曲の意味を考えてて、でもまだ皆さんには言えないから、〈愛〉 ってどうすればいいだろうってひとりでずっと悩んでいました。ひとりで考えているだけの〈愛〉って、家族とか近しい人に対しての愛になっちゃうんですけど、ファンの方に披露してからは、もっと範囲の広い、大きな形の愛を考えられるようになったなあって感じてます」
新菜「Aメロあたりから軽やかになっていくけど、歌詞はしっかりと噛みしめなければいけない。最初は歌いながら自分は周りから置いていかれてるような感覚がありました。周りの友達が恋愛をしたりとか、いろいろ人間関係が複雑になってたりするなかで、私は人間関係がすごく狭いし、周りのみんなを見ていると、私はちょっと置いてかれてるんじゃないかなっていう感覚があって。人間関係を広げるにあたって、やっぱり愛がないと人と接していけないじゃないですか。だから、多様な愛というか、友達に対する愛であるとか、親に対しての愛とか、それってどうやって表せばいいんだろうって、この曲をいただいたことで考えるようになりました」
02年11月22日生まれ。神奈川出身。特技はギター
──そうやって悩んだりしたことが、結果として曲に説得力をもたらしていると思います。
新菜「愛ってとても広いテーマだからこそ、普段から〈何だろう?〉って考えてなきゃいけないと思うし、この曲がアンサーになるのかどうかわからないですけど、考えるきっかけになればいいなと思います」
皆さんに感謝です!
そして4曲目の“エンドロール”は、からっぽペペロンチーノの作詞/作曲/編曲による、〈卒業〉をテーマにしたロック・ナンバー。エモーショナルなメロディーに、シーズンオフでも思わずグッと込み上げる。
茉優「今回の4曲で、これがいちばん最初にいただいた曲ですね。なんだろう……とても大切に歌いたいと思わせる曲です。卒業生のデリケートな心に寄り添う歌詞というか、青春のひとつひとつの思い出を大切に、すごく繊細な気持ちで歌っています。“愛について考えるよ”みたいに歌い上げる感じでもなく、ホント繊細な感じ」
彩「初めて歌ったのが3月で、世間的には別れの季節、卒業の季節だったので、そのタイミングでMVを披露させていただいて。歌詞の内容としては、学生時代の思い出の振り返りだったりも入っているんですけど、卒業していく学生の背中を押すような曲でもあって、私はそれをもう学生ではない立場で歌うんだな~って、感じた曲でした。学生に限らず、別れや決断って、きっと生きてるなかで節目節目に必ずあると思うんです。そういう場面になったときに、パッと流れてくるのがこの曲だったらいいなって思って歌っています」
03年6月1日生まれ。神奈川出身。特技はダンス、金魚すくい
──実際、3月に3人のメンバーが学校を卒業しましたね(千夏が大学、新菜が高校、千尋が中学を卒業)。
新菜「卒業式はできたんですけど、その後の謝恩会が省略されてしまったので、先生に披露するダンスをすごく練習してた子たちができなくなって、それで落ち込んでるの見ていて悲しくなりました。なので、この曲を聴いて学生時代を思い出してます、すでに」
千尋「初めて聴いたとき、歌っている私たちに涙を求めているんだなって感じました。3月に初披露したときは、3人とも号泣してたと思います。千夏ちゃんがいちばん」
千夏「大学卒業後の進路についてめちゃくちゃ悩んだ時期があってこの道を選択したので、“エンドロール”を披露した〈アプガフェス〉でいただいた卒業証書に〈アイドルの道を選び決心したことに感謝します〉みたいな文章が書いてあって、すごく感動したんです。その後に“エンドロール”を歌う流れだったので余計に感情移入してしまい、大事な初披露でちゃんと歌えるのか?っていう状態まで泣いてしまいました」
ほのか「そのシーン、すごく覚えてます。めちゃ泣きながら歌うところ。私も来年は中学卒業するんだなって思って見てました」
千夏「恥ずかしい……けど、皆さんに感謝です!」
──クラウドファンディングも目標を大幅に超えて達成しましたし、元気な(2)でいてくれて、我々も感謝です!
茉優「もうすでに次の曲も作っていたりもして、それがどういう形でお届けできるかはまだ決まってないんですけど、こうやって今回もT-PaletteさんがCDという形にこだわってくれて、クラウドファンディングも達成できたので、これからもCDを届けて、曲を聴いた皆さんに楽しい気持ちになってもらえるように活動していきたいです。その気持ちはみんな一緒なので、大変な時期ではあるけど、負けずに進んでいったらたぶんいい未来が待ってると思います!」
History & Discography
アプガ(2)の歩みを駆け足で振り返ろう!
もともと〈アップアップガールズ(2)〉とは、2016年11月にアップアップガールズ(仮)が日本武道館公演を行った際に告知された、2期メンバー募集オーディションの名称でした。その時点では具体的にどのような位置付けで活動していくのかは明かされていなかったものの、翌2017年には約750名の応募から選ばれた候補者13名による公開オーディションが開始。2月25日の〈途中報告会〉で合格者として高萩千夏、吉川茉優、鍛治島彩、橋村理子の4名が発表され、(仮)の妹分グループとして活動を開始することになります。さらに3月18日には追加メンバーの中沖凜を迎えた5人組に発展。4月6日の初ステージからアプガ(仮)姉さんの全国ツアーでオープニングアクトを務めつつ、5月にはアプガ(仮)の両A面シングル『アッパーディスコ/FOREVER YOUNG』にコーラス参加し、ジャケ写やMVにも出演。初の単独音源となる(2)版の“FOREVER YOUNG”も披露され、駆け足で活動をスタートさせたのでした。
そんな準備段階を経て、〈TIF〉出演も果たした同年8月にT-Paletteから両A面シングル『Sun!×3/二の足 Dancing』でめでたくデビュー。作家陣はいずれも(仮)と縁深い顔ぶれで、fu_mouによる爽やかな“Sun!×3”、作詞を児玉雨子、作曲をmichitomo、編曲をKOJI obaが担当した℃風味な切迫系の“二の足Dancing”の2曲でフレッシュな新人らしさを届けました。
2018年の元日にはセカンド・シングル『どしゃぶりのテラス席/フユトテトテ』を発表。児玉×michitomo×KOJI obaによる“どしゃぶりのテラス席”、fu_mouによる“フユトテトテ”と制作陣は前シングルと同じながら、曲の雰囲気はガラリと変貌します。王道ポップスの前者では、前年の夏に行われたTwitterフォロワー増加企画で優勝した吉川がセンターを担当。スウィンギンな等身大の冬ソングになった後者も含め、体育会系な爽快感とはまた異なる正統派アイドルとしての独自性を見せています。
そんななか、4月21日に新宿BLAZEで行われた初のワンマン公演で、前年の〈途中報告会〉後も密かに研修を続けてきた中川千尋と佐々木ほのかという中学生コンビの加入がサプライズで発表。5月のサード・シングル『っていう初恋のお約束/ハッピースLOVE♡』が5人体制でのラスト作品となりました。生々しい歌詞と性急なユーロビートに往年のベリキュー感が濃厚に漂う“っていう初恋のお約束”、PandaBoYによる楽天的なアップ“ハッピースLOVE♡”と対照的な魅力が発揮されています。
新たな7人体制で初のパフォーマンスを行った7月の〈アップアップガールズ(フェス)〉にて、つんく♂のサウンド・プロデュースによるシングル3作連続リリースの決定が発表され、その第1弾として8月に届いたのが『全部青春!/エンジェル演じて20年』。つんく節全開の清々しさを板垣祐介のアレンジで軽快なロックに仕上げた“全部青春!”に対し、児玉雨子の内省的な詞を備えたmichitomoによる“エンジェル演じて20年”も彼女たちらしい翳りあるアップ・ナンバーになっていました。
同作を引っ提げて9月から初の全国ツアーに臨んだ7人でしたが、つんく♂プロデュース第2弾の『かかって来なさい/OVER DRIVE』を発表した12月には、中沖がグループを卒業して転機を迎えることに。つんく×大久保薫による“かかって来なさい”は往時のモーニング娘。を想起させるトーンの名曲。シングル曲では初めて高萩が振付けを担当した“OVER DRIVE”は、かずぼーい.編曲のカラッとしたロックに仕上がっています。
2019年は年明け早々に新メンバー募集を開始し、3月に行われた〈新メンバーオーディション途中報告会〉にて、森永新菜、島崎友莉亜、新倉愛海が加入。同月のマイナビBLITZ赤坂におけるワンマン〈#アプガ2セカンド #スターティングオーバー〉で9人体制での初ステージをお披露目します。4月には新体制でのシングル『We are Winner!/スターティングオーバー』を早くも投下。ふたたび大久保薫が編曲したつんく♂プロデュースの第3弾“We are Winner!”は愛に溢れた感動的な逸曲に仕上がり、リリースと同時につんく♂は次のシングルを手掛けることも発表。9人でのツアー〈アオイハル アツイナツ〉もスタートしますが、橋村が7月のツアー終了と共に卒業となりました。
8月に届いた現8名体制の初シングル“Be lonely together”では、予告通り4連続となったつんく♂プロデュースのダイナミックな表題曲(アレンジは平田祥一郎)に加え、かねてからライブで人気だったmichitomo主導の“ワッチャウッ!!”と、高萩が振付けした賑やかな“2学期サマーっ!!”というカップリングも充実。さらに11月にはここまでの集大成となるファースト・アルバム『アオハル1st』を発表し、からっぽペペロンチーノによる“ブルースカイブルース”、“パジャマ DE タンテボー”といった新曲のほか、怪曲“ラッタンプイコ”も初音源化されています。
そして2020年──1月にはいずれも大森靖子の詞曲で固めた両A面シングル『世界で一番かわいいアイドル/し・て・る・も・ん』をリリース。編曲はmichitomoが“し・て・る・も・ん”を、サクライケンタが“世界で一番かわいいアイドル”を担当。その交流は、サクライが手掛けるクマリデパートとコラボした〈クマニキ〉名義での“クマニキ”にも繋がりました。まだまだ音源化されていないライブ曲も多く、今回のシングル完成後に披露された新曲もあって、アップカミングな(2)にも大いに注目です! *出嶌孝次