ペトロールズ『SUPER EXCITED』このライブ・アルバムは、激動の2020年を走りきった、かつてオーディエンスだった我々に贈られたギフトだ

2020.12.10

イヤホンを付けて、再生ボタンを押し、そしてそっと目を閉じる。するとまぶたの裏側に広がるのは、長岡亮介、三浦淳悟、河村秀俊――ペトロールズの3人がノリノリで演奏する姿と、彼ら特有の程よく気の抜けたMCでオーディエンスが思わず笑顔になっている光景だ。激動の2020年には体感することのできなかった情景が、グルーヴィーなサウンドを通して思い起こされる。長岡の〈give me your “hey”〉という合図に合わせてオーディエンスが〈ヘイ!〉と大声で返す大熱狂の“Fuel”からスタートするペトロールズのニュー・ライブ・アルバム『SUPER EXCITED』は、恋しく感じていた(そして観客が大声を上げることなどもう叶わないかもしれない)生のライブ感を存分に味わわせてくれるアルバム。もしくは2020年を走りきった、かつてオーディエンスだった我々に贈られたギフトだ。

全13曲の収録ナンバーは、彼らが長年歌い続ける“アンバー”や“雨”を始め、ファースト・アルバム『Renaissance』(2015年)に収録された“Talassa”、“Not in service”、セカンド・アルバム『GGKKNRSSSTW』(2019年)に収録の“KAMONE”など、ベスト・アルバムと呼んでも差し支えない選曲だが、どの曲をもってしても新鮮さを感じてしまう。それは、ライブごとに毎回変わるアレンジの妙ゆえだろうか。毎度毎度3人で化学変化を起こしながら奏でるサウンドには、唯一無二のものがある。

そしてこのアルバムを聴き終えて思うことはただひとつ、〈ペトロールズに会いたい〉。2021年がどんな年になるのかまだ分からないが、来年こそはきっと笑顔で彼らに会える。不思議とそんな明るい未来が想像できるのだ。

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