今年ベートーヴェン生誕250年を締めくくるのに相応しい1枚のアルバムと言っても過言ではない。田園の連弾版。演奏しているのはアルゲリッチと、彼女がその才能を絶賛しているテオドシア・ヌトコウ。一体全体どんな音楽を届けてくれるのか。その1音を聴く前から心をときめかせてくれる。軽やかなタッチで奏でられる二人の演奏は聴いていて実に清々しい。優しくそして温もりのある音色。その息の合った演奏は、まるで二人で弾いているとは感じさせない抜群のテクニックで終始聴き手を魅了させてくれている。壮大な楽曲を、ゼルマール・バッゲは見事な編曲で連弾作品を完成させている。