大豆田とわ子と三人の元夫
音楽面でも大好評だった話題のTVドラマから、あの主題歌と豪華な楽曲集がついに到着!

 坂元裕二が脚本を手掛け、三度の離婚歴がある〈大豆田とわ子〉を松たか子が演じたTVドラマで、今風の盛り上がりを見せた「大豆田とわ子と三人の元夫」。坂元と松の組み合わせといえば、俳優たちのユニットが主題歌をリリースした「カルテット」(2017年)を思い出すという人も多いと思いますが、今回も松の歌うエンディングテーマ“Presence”の客演者が毎回変わるという音楽面でのユニークな試みがあったのはご存知の通り。そのように〈三人の元夫〉とラッパーたちが多数参加した話題の主題歌ヴァージョン集『Presence』が、STUTS & 松たか子 with 3exesの名義でリリースされました。

STUTS & 松たか子 with 3exes 『Presence』 ARIOLA(2021)

 デバージを思わせる飽きのこないエレガントなトラックはSTUTSによるもので、詞とメロディーメイクはbutajiが担当。松が歌唱するフックはそのままで、“Presence I”はKID FRESINOが、“PresenceII”はBIMと岡田将生が、〈III〉はNENEと角田晃広が、〈IV〉はDaichi Yamamotoと松田龍平が、〈V〉はT-Pablowがそれぞれラップを披露するという豪華さです。さらに本職ラッパー5名のみのパートによる〈Remix〉や、butajiの素晴らしい歌唱による“Presence Reprise”、STUSのインストも収録されていて、ドラマの副産物として以上の豊かな味わいがあります。

坂東祐大 『Towako’s Diary - from “大豆田とわ子と三人の元夫”』 コロムビア(2021)

 それとは別で登場したのが、作曲家の坂東祐大による同ドラマのサントラ/劇伴集『Towako’s Diary - from “大豆田とわ子と三人の元夫”』です。こちらも興味深い作りになっていて、なかでもグレッチェン・パーラトが歌唱して話題になった挿入歌“All The Same”は、坂元裕二の書き下ろした歌詞を元にLEO今井が英語詞を付け、BIGYUKIらが演奏するというリッチなもの。同じく坂元の原詞による“Ils parlent de moi”をマイカ・ルブテが歌っていたり、LEO今井やBanksia Trio(須川崇志、林正樹、石若駿)がフィーチャーされていたり、ドラマ本編を知らない人でも耳を惹かれるであろう作品になっていますよ!