Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
【小峯崇嗣】
ぎがもえか “敵わない”
シンガー・ソングライターの〈ぎがもえか〉がニュー・シングル“敵わない”を先週リリースしました。ガット・ギターの柔らかな調べと、カントリー調の心地よいサウンドが絡み合った温かい一曲に仕上げています。とくに彼女の伸びやかなヴォ―カリゼーションと絹のような美声にはとても驚かされました。寺尾紗穂や青葉市子に通じるようなポテンシャルを秘めた才能を持つアーティストだと思うので、今後も注目していきたいです。
【田中亮太】
Homecomings “Herge”
ホムカミが5月12日(水)にリリースする新作『Moving Days』からのリード・ソング。細やかなブレイクビーツ・ドラムと滑らかに動くベースラインから醸される、さりげないソウル・ミュージック・ヴァイブスに心浮き立つ。そして、畳野さんの歌声がゆっくりと弾むさまは、春の散歩のタイム感。桃色のまどろみへと聴き手を誘うギター・プレイは、NOT WONKの加藤くんによるものだそうです。中村一義の“ひとつだけ”が浮かぶのは、単に歌詞のせい? それとも……。
【酒井優考】
Cornelius “Forbidden Apple”
先週金曜日(4月16日)に何の前触れもなく突然リリースされたコーネリアスの新曲。ソニーの360立体音響技術〈360 Reality Audio〉に対応しているらしく、禁断の果実を齧るこの音を全方位から浴びてみたいものです。とはいえ、ファンとしてはコーネリアスの新曲が聴けるだけでありがたいです。
【天野龍太郎】
STUTS & 松たか子 with 3exes feat. KID FRESINO “Presence I”
この一週間の一曲といえば、これっきゃない。坂元裕二さんが脚本を手がける新作ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の主題歌“Presence I”。〈3exes〉というのは劇中の〈三人の元夫〉としてコーラスに参加した岡田将生さん、角田晃広さん、松田龍平さんのこと。まずは、その異次元すぎる参加ミュージシャンたちの並びに混乱します(KID FRESINOと松たか子さんがひとつのミュージック・ビデオで共演しているのに〈?〉となる)。そして曲を聴いていると、松たか子さんの伸びやかな歌声が入ってきた瞬間に鳥肌が。また、butajiが作詞と作曲に関わっていて、歌唱指導にも携わっているそうです。曲そのものの魅力はもちろんですが、若手たちが力を合わせてどメジャーな仕事をしていることに私は感動しました。配信リンクはこちら。
【鈴木英之介】
sphontik “Good Day”
〈木原健児〉や〈KENJI KIHARA〉名義でも活躍する音楽家のニュー・アルバム『Good Day』、その1曲目にして表題曲。ゆるやかなブレイクビートを基調に、風通しのいいアコースティック・ギターの音色やローファイなループ音、風鈴を思わせる涼やかな打楽器の音などが絶妙に溶け合っており、とても心地よい。この曲だけでなくアルバム全編に関して言えることだが、Dorianの名盤『midori』(2013年)などにどことなく通ずる、モンド~ラウンジ的なセンスをフィルターとして通したようなトロピカル感がたまらない。こちらのページからアルバム全収録曲をそれぞれ途中まで試聴できるので、併せてどうぞ。