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【酒井優考】

millennium parade “FAMILIA”

millennium parade流レクイエムということなのかな。まだmillennium paradeが何なのか実態はつかめずにいるのですが、とにかくいつも何かがすごい。その何かが説明つかないんですけど。

 

STILL DREAMS “Live With Excuse”

会ったこともないのに信頼しているマバセレコーズのオーナー、〈みん恋〉こと前田さんのツイートで知った、彼が監督・脚本・編集を行っているMV。Still Dreamsは大阪のシンセ・ポップ・デュオで、キラキラした音像を人工物じゃなく夏の大自然の映像と合わせてるのが気持ちいいなと思います。どこかちょっと懐かしくて胸に来るものがある。

 

SAM4416 “勢い任せ”

ロックバンド侍文化と、昨年コラムも書いてもらったカンノアキオのソロユニット4×4=16がフュージョンしたSAM4416の新曲。侍文化のゴリゴリロック(だけじゃないけど)だけでもない、4×4=16のラップだけでもない、いいとこ取りの楽曲です。この連載で何度も紹介しているワタナベタカシの声がいい。

 

【天野龍太郎】

dodo & tofubeats “nirvana”

今週の一曲といえば、dodoとtofubeatsのコラボレーション・ソング“nirvana”。まず組み合わせに興奮するし、リリックもビートも2人の共作ということで、両者のよさがぎゅっと詰まっていると思います。特に、tofubeatsの歌/ラップがいままでにない新鮮な感じで、dodoとのコラボだからこそ引き出された魅力かも。〈消えかけてくまるで焚火の炎/目を凝らして見る最後の火の粉〉というdodoのラインに呼応しているのか、2人が仲良くキャンピングするジャケットもいい感じ。配信リンクはこちら

 

uami “バルコニーで寝タバコをしたい”

2019年のアルバム『Composition baby exercise book (long)』からのシングル・カット。アルバムを聴いていると楽曲ごとのアプローチのちがいや奇想っぷりに翻弄され、飲みこまれてしまうのですが、こうやってシングルとして聴いてみると、uamiさんの歌心やポップさが際立ちます。とはいえ、このギリギリのバランスで成り立っているエレクトロニック・グランジ・ナンバーは、どこまでもアグレッシヴで崩壊寸前。配信リンクはこちら

 

分水嶺 “Dreamy (Remote Ver.3)”

Maher Shalal Hash Bazなどに参加していたという宮岡永樹さんを中心とするバンド、分水嶺。最近気になっています。〈夢のよう〉とは彼らの新しいCD-R作品のタイトルであり、この新曲の題であるわけですが、分水嶺の音楽そのもののことのようでもありますね。ドリーム・ポップでもサイケデリック・ロックでもない、夢のような何か。捉えどころのない、綻びかけのサンサンブルと音像に強く惹かれます。ライブを観てみたいところ。

 

SNJO “サイレンス”

SNJOくんの2作目『Diamond』がリリースされてからもう1年以上経っていて、時が経つのは早いなと思いました。待望の新曲は、確実に進化したサウンドで興奮。チョップされ、ぐにゃっと変調されたヴォーカルは新境地では。SNJOくんの曲はポップな歌が真ん中を貫いていることが多いのですが、今回そこは抑えられていて、代わりにビートやエディットのきめ細かい作り込みが圧倒的です。プロデューサーとして前に進んでいく力強さを感じたこの曲を聴いて、次の作品がめちゃくちゃ楽しみになりました。

 

munennn “supplication (prod.Rhino kawara)”

ポエトリー・ラッパー、munennnの新曲。プロデューサーは、コンピレーション『Autumn is Here』に参加していたRhino kawara。繊細な響きを持ったローファイ・ビートとmunennnのたゆたうようなフロウは、これ以上ないマリアージュを見せています。

 

MIKA & No tengo hambre “Endless End [duo|reprise]”

シンガー・ソングライターの林ミカさんのバンド、MIKA & No tengo hambre(ミカ&ノ・テンゴ・アンブレ。通称〈ミカノテ〉)。最近、彼女たちの2019年のアルバム『Sign』をよく聴いています。そのミカノテのライブ映像や対談動画が、Ice Cream Studioの企画で公開されました。こちらは林さんがベーシストのお犬様とのデュオで演奏したもの。彼女の歌そのものが、まるで生き物のようにうねっているさまにスリルを感じます。