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ウルフ・アリス(Wolf Alice)のUKロックを背負って立つ新曲“The Last Man On Earth”など今週の洋楽ベスト・ソング

【Pop Style Now】2021年2月19~26日

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Drakeo The Ruler feat. Drake “Talk To Me”

天野「ドレイキオ・ザ・ルーラーがドレイクをフィーチャーした“Talk To Me”。ドレイキオ――ドレイコとも発音されますが――の新作『The Truth Hurts』の収録曲で、トラックリストが発表されたときからかなり話題でした。米LAの気鋭ギャングスタ・ラッパーと大スターとの共演曲ですからね」

田中「浮遊感のあるイントロから、ドレイクの甘い歌声が響きわたっていますね。ドレイクは歌のみという贅沢な参加で、〈だって君が俺を求めているってわかっているから、ガール〉というサビのフレーズは彼が歌うのにぴったり」

天野「ちなみに、昨年11月まで殺人と殺人未遂の容疑で刑務所に収監されていたドレイキオは、獄中で『Thank You For Using GTL』を作ったあと、出所後の12月に『We Know The Truth』と『Because Yall Asked』という2作のミックステープを発表していて、『The Truth Hurts』を含めて、この3か月で3作もの作品をリリースしています。すごい勢い! 先日亡くなってしまった盟友ケッチー・ザ・グレイト(Ketchy The Great)に捧げた“Long Live The Greatest”も、ぜひ併せて聴いてほしいところ」

 

Yaya Bey “fxck it then”

天野先日触れたように、ニンジャ・チューン傘下のヒップホップ・レーベル、ビッグ・ダダ(Big Dada)が、黒人、有色人種、マイノリティーによる彼らのためのレーベルとして再始動しました。リニューアル第1弾のリリースが、ヤヤ・ベイの新曲“fxck it then”です」

田中「NY出身でワシントンが拠点のヤヤ・ベイは、ダニー・ハサウェイやメアリー・J・ブライジが引き合いに出されるアーティストですね。この曲も、たしかにニュー・ソウルやヒップホップ・ソウルを思わせるホーンやギターのフレーズが印象的。ビートレスのパートが長くて、幻想的かつ浮遊感が強いですね。彼女のこれまでの楽曲と比較して、ビッグ・ダダらしさと言うべきレゲエやダブっぽさが感じられて、そこもいい」

天野「“fxck it then”は4月9日(金)に彼女がリリースするEP『The Things I Can’t Take With Me』からのシングルで、同作では黒人女性として女性らしさや愛についてパーソナルな探求を行っているのだとか。ヤヤ・ベイ、注目の才能と言っていいでしょう!」

 

Fred again.. & The Blessed Madonna “Marea (We’ve Lost Dancing)”

田中「このパーティーなき時代……なんて言うと試行錯誤を重ねながらイベントを開催している方々に怒られそうですが、パーティーすることに不自由さを伴う〈COVID-19の時代〉を象徴するフロア・アンセムと言えるでしょう。フレッド・アゲインとブレスド・マドンナによる“Marea (We’ve Lost Dancing)”です!」

天野「落ち着きいてください(笑)。この曲は、いまのダンス・ミュージックを牽引している若き才能2人がタッグを組んだ、ということにまずアガりますよね。フレッド・アゲインは、僕たち〈PSN〉が2020年の〈Song Of The Year〉に選出したロミー“Lifetime”への参加などで知られるプロデューサー。そして、ブレスド・マドンナは、デュア・リパの最新リミックス・アルバム『Club Future Nostalgia』(2020年)でキュレーションやDJミックスを担当していました」

田中「〈ダンスを失った私たち〉という副題が現状を映し出しつつ、力強いハウス・ビートと推進力に溢れたシーケンスからは、〈この時代をタフに生き抜いて、いつの日かパーティーで再会しよう〉という意志を感じます。曲中で〈We’ve lost dancing〉と連呼されますが、〈dancing〉というフレーズが強調されているため、むしろ〈ダンスすること〉への思いが際立っている印象。早くフロアで聴けたらいいな!」

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