→Pia-no-jaC←が2021年4月3日(土)にビルボードライブ大阪で、4月10日(土)にビルボードライブ東京でライブを開催する。

ピアノとカホン、2つの楽器が生み出す唯一無二のハイブリッド・サウンドが魅力のインストゥルメンタル・ユニット、→Pia-no-jaC←。〈稲妻ピアノ〉を奏でるHAYATOこと立成隼人と、〈爆裂カホン〉を担うHIROこと森冨正宏の2人組だ。

〈→Pia-no-jaC←〉というグループ名についている矢印は、左からは〈Piano(ピアノ)〉と読ませ、右からは〈Cajon(カホン)〉と読ませるためのもので、〈ピアノとカホン、2つの楽器でライブ空間をジャックする〉という意味が込められているのだとか。

→Pia-no-jaC←は2005年4月に結成、2008年にファースト・アルバム『First Contact』でデビューしている。2009年には事務所〈PEACE PRODUCTION inc.〉を構え、自身のレーベル〈PEACEFUL RECORDS〉を拠点として活動中。

非常に多作な→Pia-no-jaC←は、オリジナル・アルバムの他にクラシックの名曲を大胆にアレンジする〈EAT A CLASSIC〉シリーズのアルバムやコラボレーション作品などを多数リリースしている。現時点での最新作は〈EAT A CLASSIC〉シリーズの第7弾『EAT A CLASSIC 7』(2020年)、その前作は〈和〉をテーマにしたオリジナル・アルバム『JAPANESQUE』だ。

2020年作『EAT A CLASSIC 7』収録曲“組曲「展覧会の絵」~プロムナード”

2019年作『JAPANESQUE』収録曲“MA・TSU・RI”

そのエモーショナルな音楽表現や高い演奏力に惚れ込んだ他のアーティストからのラヴコールは後を絶たない。〈コラボ〉は→Pia-no-jaC←の活動における重要なキーワードになっている。

その最たるものは、二宮和也の強い希望で参加した嵐の『僕の見ている風景』(2010年)での活躍だ。同作で2人は、二宮が作詞・作曲をしたソロ曲“1992*4##111”に参加している。

嵐の2010年作『僕の見ている風景』収録曲“1992*4##111”

また、葉加瀬太郎との共演はよく知られている。→Pia-no-jaC←の圧倒的なパフォーマンスに「なんじゃこいつら!?」と驚かされたという葉加瀬と、「とにかく尊敬できる大先輩です」と語る→Pia-no-jaC←は、まさに相思相愛の関係。

2012年作『BATTLE NOTES』はそんな2組が全曲でコラボしたアルバムで、葉加瀬の新曲から代表曲“情熱大陸”、クラシックのカヴァーまで、多彩な音楽を聴くことができる。

→Pia-no-jaC← × 葉加瀬太郎の2012年作『BATTLE NOTES』収録曲“Csárdás”

ジャズでもクラシックでもない、独自のハイブリッドな音楽性だからこそ、→Pia-no-jaC←の演奏はどんな楽曲でも→Pia-no-jaC←の色に染め上げる。彼らはカヴァーの名手でもあるのだ。

先に書いたクラシックのみならず、たとえばスクウェア・エニックスのゲーム音楽を取り上げた『Love SQ』(2009年)など、スクウェア・エニックスのトリビュート作品には3度参加。また、『Disney Rocks!!!! featuring →Pia-no-jaC←』(2014年)では丸々一作ディズニー・ナンバーの演奏に取り組んでいる。あるいは、2020年の9mm Parabellum Bulletのトリビュート作『CHAOSMOLOGY』。ロック・バンドが参加者の中心を占めた同作において、→Pia-no-jaC←は異彩を放っている。それも、彼らの音楽的な射程の長さゆえだろう。

2020年作『CHAOSMOLOGY』収録曲“ハートに火をつけて”