『CITY POP Voyage - STANDARD BEST』がタワーレコード限定でリリースされた。本作は〈時を超えて、国を超えて、いま世界を魅了するジャパニーズ・シティ・ポップ〉をテーマとする2枚組のコンピレーションCDで、“真夜中のドア〜Stay With Me”(松原みき)や“プラスティック・ラヴ”(竹内まりや)など、定番曲の新旧アーティストによるカバーが収録されている。
そんな『CITY POP Voyage - STANDARD BEST』について話題なのが、“真夜中のドア〜Stay With Me”のRainychによるカバーが初CD化されたこと。インドネシア出身で、唯一無二の透き通った声の持ち主であるシンガー・Rainychによる“真夜中のドア〜Stay With Me”は、同曲がリバイバルする火つけ役になった名カバーだ。
ちなみに“真夜中のドア〜Stay With Me”をレコーディングする際、楽曲が持つ〈冬〉の雰囲気について、Rainychは「インドネシアには冬がないので、体験したことがないんです。でも、想像しながら歌いますね」と語ったそうだ。同曲は、Rainychにとってチャレンジングなカバーとなったことだろう。
今回は、そんなRainychにメール・インタビューを行った。彼女が考えるシティ・ポップの魅力とは? “真夜中のドア〜Stay With Me”のカバーした際の心構えなど、率直な思いを飾らない言葉で明かしてくれた。
“真夜中のドア~Stay With Me”はタイムレスで誰もがノれる曲
――Rainychさんは、なぜ“真夜中のドア~Stay With Me”をカバーしようと思ったのでしょうか?
「私はいつも、さまざまなジャンルの音楽を楽しんでいて、自分自身の興味を特定の音楽に限定することはないんです。それに、歌えそうなジャンルの音楽をたくさん掘ることも好き。そのことは、私の経験にスパイスとして加わってくれるだけではなく、歌ったりミックスしたりするときの能力を高めてくれることにも繋がってきます。
“真夜中のドア~Stay With Me”については、シンプルにタイムレスな楽曲だと思います。どんな世代の方でも楽しめるし、誰もがノれる曲なんです!」
――なるほど。では、“真夜中のドア~Stay With Me”を歌ってみたご感想は?
「“真夜中のドア~Stay With Me”をカバーするにあたって、事前にたくさんの準備が必要でした。というのも、ただ曲を歌うだけではなく、曲が持つ感情とエネルギーに対して、私も対等にならないといけなかったからです。なので、普段のカバーとはちょっとちがっていましたが、練習が功を奏しました。
有名なシンガーのクラシックな名曲を歌える機会に恵まれたことに感謝しています :) 」
――楽曲自体の魅力と、オリジナルの松原みきさんの歌についてはいかがでしょうか?
「松原みきさんの“Stay With Me”は、広く知られた伝説的な一曲です。そして多くの方々が、あの曲を心の中で大切にしているのだと思います。
私個人にとっては、あの曲を聴いたり歌ったりすると、いつも遠い過去の時代へと旅をしているように感じます。その体験は、楽曲の複雑さのなかにある美しさから私が想像しうるかぎりのものなのですが」