カネコアヤノ『よすが』しなやかなバンド・サウンドで気負いなく奏でられる伸びやかで力強い歌

2021.04.30

サウンド・プロデューサー/エンジニアの濱野泰政、ギターの林宏敏、ベースの本村拓磨(ゆうらん船)、ドラムスのBob(HAPPY)と共に伊豆スタジオにて合宿レコーディング……という近年の作品と同じスタイルで制作されたニュー・アルバム。勝手知った面子&環境のもとで自由闊達に音を編んでいく様子が作品に着実に刻み込まれており、気負いなく繰り出しているように感じられるサウンドはしかし、実にフレッシュに耳に飛び込んでくる。ゆったりと落ち着いたテンポを軸にしたしなやかなバンド・サウンドも、素朴で伸びやかなメロディーも、日常から拾い上げたリリカルな言葉も健やかで力強い響きを湛えているのだ。時に息詰まる現況にも触れながら、そんな状況を解放するパワーも感じられる一枚だ。

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