Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【小峯崇嗣】

Bearwear “madoromi”

KazmaとKouによる2人組のBearwearが、1年ぶりとなるシングル『madoromi / Carry On』をリリースしました。なかでも、彼らにとって初となる日本語詞に挑戦した“madoromi”には、本当に心を奪われました。優しさあふれる言葉にギターの純粋なメロディーが溶け合い、聴いているとまるで目の前に美しい大自然の風景が広がるかのよう。Bearwearが新たなステージに上がった渾身のシングルです。ちなみに、彼らのnoteには今作の制作秘話が掲載されていますので、気になった方は併せて読んでみてください。

 

【田中亮太】

Strip Joint “Hike”

かつてCeremonyとして活動していた5人組、Strip Jointの新曲。バックビートとメランコリックなシンセ、哀愁漂うホーン・フレーズが印象的なパブ・ロック・チューンです。イアン・デューリーやマッドネスの音楽に特有の〈明るくも暗くもない〉感じ、シニカルなユーモアを、彼らも会得している気がします。〈なんだかなー〉という気持ちを解消することなく、ただ踊ってやりすごすための3分間ポップ。

 

【酒井優考】

Q2の穴 “ハオチーパクチー/好吃香菜”

パクチーはお好きですか? 以前〈Mikiki Pit Vol.9〉にも出演していただいた御多忙プピーピがスタジオ・ライブをやるというので先日観に行ったら、主催のバンドがこちらのQ2の穴(けつのあな)というバンドで、ズキューン。Twitterのプロフィールには〈女性2~3人、男3~4人の5~7人編成の全員が同じリフを弾く、わちゃわちゃインストバンド〉とあるのですが、ライブは6人編成でメンバーはいずれも一癖も二癖もありそうな人たちばかり。ちょっと溺れたエビ!のような異国のお祭り感とかトランス感のある音楽で、久しぶりに目の前で体験する生音ということもあって、めちゃくちゃキました。この曲は少し前にリリースされた2作目『Nuts』より、唯一のヴォーカル入り曲。ヴォーカリストは〈Mikiki Pit Vol.9〉でDJをしてくれた、いもけんぴまるさん。下手ではないけど、めちゃくちゃ上手いわけでもない(←失礼)味のある・でも癖になる歌声で、それってもしかしたらパクチーみたいなものかもしれません。実は自分はパクチーを適量なら食べれるけどたくさんは食べられないんですが(笑)、この曲はいくらでも食べられる病みつきの曲です。

 

【天野龍太郎】

米津玄師 “Pale Blue”

米津玄師、2020年作『STRAY SHEEP』以来の新曲は、TBS系金曜ドラマ「リコカツ」の主題歌。“海の幽霊”や“馬と鹿”の延長線上にあるドラマティックなバラードで、生ドラムとベースのグルーヴに前作で得た手ごたえのようなものが垣間見えました。オン・コードでなめらかに進んでいく流麗さは米津玄師印。詳しいパーソネルを知りたいところですが、いまのところわかったのはドラマーが堀正輝レコーディングとミキシング・エンジニアが小森雅仁、というお2人だけでした。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

マサ小浜 “Steppin’ Out”

リリース自体は少し前(今年3月)なのだが、ひょんなきっかけで最近知った1曲。マサ小浜はギタリストとして国内外の著名アーティストの作品に多数参加しており、最近ではファンタスティック・ネグリートの2020年作『Have You Lost Your Mind Yet?』でギターを弾き、彼のグラミー受賞(最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバム)に大きく貢献した。またあのビリー・プレストンの寵愛を受けていたという逸話からも、実力の高さが窺い知れるだろう。

そんな彼の初ソロ作『MASA’S FIRST TAKE』に収録されたこの曲は、突き抜けるように爽快でグルーヴィーなフュージョン・ナンバー。さすがと言うべきか、ギターの伸びやかで艶のあるトーンがとにかく素晴らしい。そのプレイからは先達へのリスペクトだけでなく、トム・ミッシュなど現行のギタリストたちとの共振も感じられる。青空を眺めながら聴いていると、煩わしいあれこれを棚上げして、いますぐ車で海辺へ出かけたくなってくる。