こんにちは、TOWER DOORSスタッフです。

TOWER DOORSが注目する新人アーティストにメール・インタビューし、その魅力に迫る企画〈6つの質問〉。これまで〈6つの質問〉に答えてもらったアーティストの楽曲を下の再生リストにまとめています。ぜひ活用してください。

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2010年代以降、ロック・バンドのリリース方法が多様化していると感じます。例えば、Foalsは2019年に2枚のアルバムを連続で発表。The 1975は2018年作『A Brief Inquiry Into Online Relationships』と対になる『Notes On A Conditional Form』を4月にリリース予定です。

こういった動きは、ストリーミング・サーヴィスの普及や音楽産業の変化、リスニング方法の多様化と無関係ではないと思います。それに呼応するように、バンドもより自由なリリース方法を取るようになりました。

今回ご紹介するのは、そんな海外のバンドたちと同時代的な活動を行うBearwear。彼らはTOWER DOORSに”Thoughts, Views, and Different Layers”を提供してくれています。

Bearwearは、2016年にKazuma(ヴォーカル)とIshimaru(ベース)の2人を中心に結成されたインディー・ロック/エモ・バンドです。

2018年にファースト・ミニ・アルバム『DREAMING IN.』を発表。そして、セカンド・ミニ・アルバム『:LIVING IN THE ECHO CHAMBER』を2020年3月29日(日)にリリースします。〈恋人や人との別れ〉を題材にした前作に対して、新作は〈夢と現実の対比〉にフォーカスしているそうです。

Bearwearは、新作を『:2222』と『:P.S.』という2つのEPに分けて先行配信しています。彼らのこうしたリリース方法は、冒頭で述べた海外の動向と軌を一にするもの。アルバムへの期待感を高めるとともに、バンドの挑戦的な姿勢を伝えています。

『:2222』と『:P.S.』は一曲一曲が重みを持っており、前作のリリースから1年半の間にバンドが遂げた成長と彼らの想いを伝える作品になっています。また、音楽的にもチャレンジングで、ゴスペルやシンセ・サウンドが取り入れられており、〈インディー・ロックのその先〉を感じさせる音楽性には驚かされます。

それでは、そんなBearwearの魅力に〈6つの質問〉から迫っていきましょう。

 

1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「2016年にボーカル/作詞のKazmaと、ベース/作曲のIshimaruがTwitterで知り合い、今は無き渋谷のフレッシュネスバーガーで初対面し結成。お互いそれぞれ同世代のバンドの好きなプレーヤーをライブメンバーに誘い、5人編成で活動中」

 

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「Turnover、Title Fightを始めとするパンクシーン出身でドリーム・ポップやシューゲイザー要素を取り入れたバンドにインスパイアされてバンドをスタートしました。王道のシューゲイザーやドリームポップは、当時そこまで通っていなくて、90’sのUSエモやそれらの派生で起こった2010年以降のリバイバルシーンに強く影響を受けています。パンクがクリエイティブに、かつ内省的に変容して出来上がったという点で大学生の頃の自分は90’sのエモにシンパシーを感じて、元々馴染みのあったポップパンクやラウドな音楽にも90’sのエモのエッセンスが受け継がれてることに気づいたことでより惹かれました。

自分が作曲する時は、理想の情景や感情を曲にしているんですが、牧歌的でアメリカーナな空気が、首都圏で暮らす自分の不満や退屈を乗り越える手段になっていて、そういう意味ではエモだけじゃなくてロードトリップ的なインディロック、フォークだったりヒップホップ、都会のエモーションを描く日本のシティポップ/AORとかも肌に合うのでジャンル関係なく幅広く参照しています」

 

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“Thoughts, Views, and Different Layers”

Kazma「リリースツアーにも出てもらう滋賀の揺らぎのボーカルmiracoをゲストコーラスに迎えた一曲です。メインのフレーズ、〈Answers runs through my mind〉という歌詞は、〈物事に対する答えも原因も全ては自分の思考にある〉という意味を込めて」

Ishimaru「うまくいってる自分らを想像すればどんな壁も超えられるって事を思って作りました。同じ事が起きてもポジティブな時とネガティブな時で物事が全然違って見えてくるのって、怖くもあり、でも面白くて、その感覚を飼い慣らしたいですね」

 

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「東京のUsWaaterのメンバーが中心にやっているイベント〈SPEED〉、横須賀のTHE ティバ、金沢のバンド・Game Centerやその参加メンバーとヒップホップクルー・8MileAliensが運営してるConveyor Magazine、滋賀の揺らぎ、奈良のRY0N4とAge Factory(HEAVEN)周りはリスペクトしています。自分たちでコレクティブやマガジンを回してる人達が中心になって、新しい流れを作ろうとしていて、音楽に限らずファッション、アートのようなあらゆるカルチャーにもアンテナを張っている。既存の流れに飲まれず独自のマインドを持っている人達だから普段の活動からかっこいい。音楽という枠を超えて自らを表現しようとしてるクリエイティブなチームがバンド周辺からも出てきて他との境界がなくなってきているのは希望だと思います」

 

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

Kazma「まだリリースされてないですが、先に聞かせてもらったAge Factoryと北海道のCVLTEの新譜は悔しくなるぐらい良かったので2020年のロックバンドシーンには希望を感じてます。直近の自分のSpotifyの再生履歴は100gecs、EDENの新譜、Vevo DSCVRの2020注目アーティストにも挙がってたLiily、Sea Girlsの新譜、Hot Mulliganの新譜、Trophy Eyesの”Figure Eight”。今は電車に揺られながらnever young beachの“やさしいままで”を聴いて泣いてます」

Ishimaru「普段からその時期気になってる音楽とかアーティストの動向はアーカイブするようにしてるけど、今は1シーズン変わると全部ガラッと変わるくらい目まぐるしく変わるのが面白い。最近は寺尾紗穂さんの新譜、先月末にストリーミング解禁されたaikoみたいに自分の中にある日本人の心みたいな部分に響くやつを聴きたいモードだけど、Soccer Mommy、beabadoobeeHAIMみたいに明らかにポストジャンルな海外のインディロックから、100gecs、Machine Girlみたいなぶっ飛んでるやつも。The Weeknd、Tame Impala、Flume × Toro y Moi、Frank Ocean、この辺りの最新もチルウェーブ、トリップホップ、ダンスみたいなレイヤーで溶け合ってて冒頭聴いただけじゃもはやどれが誰の曲か分かんないくらいの感じが最高です」

 

6. ライヴやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「2月、3月と配信リリースしてきたEP2作を合わせたミニアルバムを3月29日(日)の自主企画から販売します! 初めてのリリース企画で、4月には横浜、大阪と初リリースツアーを最高のアクト迎えて周るので関東の人も、関西の人も気になってる人は遊びに来てください。

小さな規模で自分達が良いと思うものを作っている人達ほど苦しい思いをしてるって事を頻繁に実感する時期ですが、だからこそ現状を反動にして大きな力にしたいですね」

 

最後に、彼らの短編映像作品〈:LIVING IN THE ECHO CHAMBER〉をご紹介します。ドキュメンタリーともミュージック・ビデオとも言えるこの作品は、新作のコンセプト〈夢と現実の対比〉を映像的に表現。バンドのメッセージやアティテュードを強く感じるもので、涙なしでは観られません。

YouTubeでEpisode 1とEpisode 2が公開されているので、ぜひチェックしてください。

 


RELEASE INFORMATION

Bearwear:LIVING IN THE ECHO CHAMBER
リリース日:2020年3月29日(日)
品番:ZAYA-0001
価格:1,500 円(税込)
1. 2222
2. The Door
3. Thoughts, Views, and Different Layers Feat.miraco(揺らぎ)
4. HAPPENSTANCE
5. P.S. Feat.明智マヤ(THEティバ)
6. I Think
7. :LIVING IN THE ECHO CHAMBER -Audio Commentary-

 


LIVE INFORMATION

2nd Mini Album :LIVING IN THE ECHO CHAMBER -Release Show-
2020年3月29日(日)東京・新宿 MARZ
開場/開演:18:00/18:30
出演:Bearwear/No Buses/SUP
前売り/当日:2,500 円/3,000円(ドリンク代別)
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2nd Mini Album :LIVING IN THE ECHO CHAMBER -Release Tour-
2020年4月12日(日)神奈川・横浜 B.B.STREET
開場/開演:18:00/18:30
出演:Bearwear/THEティバ/the McFaddin
前売り/当日:2,500 円/3,000円(ドリンク代別)
★詳細はこちら

2nd Mini Album :LIVING IN THE ECHO CHAMBER -Release Tour-
2020年4月25日(土)大阪・南堀江 SOCORE FACTORY
開場/開演:18:00/18:30
出演:Bearwear/揺らぎ/RY0N4 & Lil Soft Tennis
前売り/当日:2,500 円/3,000円(ドリンク代別)
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