2021年最初のシングル“水硝子”をリリースし、さらに12インチ・シングルの発売も6月29日(火)に決定と、勢いに乗るRYUTist。8月9日(月・振休)に開催するデビュー10周年記念公演〈10th Anniversary RYUTist “HALL” LIVE @りゅーとぴあ 劇場〉に向けて、4人は気合十分!
そんなRYUTistのともちぃこと宇野友恵さんがお気に入りの一冊を紹介しているこの連載。第7回のテーマは、無類の音楽好きとしても知られる俳優・松重豊さんにとって初の著書「空洞のなかみ」。友恵さんは、この本を読んである思いを抱いたようで……。 *Mikiki編集部
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梅雨ですね。
雨の匂いと音って落ち着きませんか?
眠れない日や集中できない時は、YouTubeで見つけた好みの雨音をBGMにしています。
小雨くらいだったら、うきうき散歩にも出かけます。ぽつりと落ちる雫たちが水たまりの表面に輝いてとても綺麗です。
〈RYUTist宇野友恵の「好き」よファルセットで届け!〉第7回目は、松重豊さんの「空洞のなかみ」をご紹介します。
俳優・松重豊さんが綴った小説とエッセイです。
この本を読むきっかけとなったのは、昨冬の夜、寝る前に何気なく読んだ「暮しの手帖」さんのコラム欄で松重さんが選曲したというプレイリストに興味をそそられたことでした。
ドラマではよく拝見していましたが、松重さんが音楽好きということも、どんな方なのかもちゃんと知らなかったです。
気になって調べているうち、松重さんのYouTubeチャンネルを見つけました。
Kan Sanoさんや青葉市子さんなど私も好きな顔ぶれのミュージシャンの方の演奏に合わせて朗読するという企画をされていました。
落ち着いた語り口と気持ちのいい演奏に心を揺さぶられます。
朗読している小説の内容も面白く、360度回転するカメラワークをじーっと眺めているうち、文章を目でたどりながら朗読を聴きたいと思いました。
前半、全12編の短編小説は昨年の緊急事態宣言下で自粛中に書き下ろしたんだそうです。
主人公は俳優さん。松重さんの姿を脳内に浮かべながら読みました。
毎回演じる役がわからないという設定になっていて、現場の空気や状態を手がかりに配役を考えて演じはじめます。しかし、おおかた見当外れ。
どこまでが本当なの?と思わせる話の作りがお上手で。喫茶店で一人くすくすと笑ってしまいました。
後半のエッセイは、松重さんの日常が書き連ねてあります。
俳優さんならではのエピソードが満載。
自然体でユニーク。味わいある文章が印象的でした。
役者として生きるため、長年、自己と向き合い、研究し、さまざまな経験をしてきた松重さんだからこそだと感じました。
恐れずに言ってみます。
いつか私も本を出してみたいです!
無理でしょ、とスタッフさんに一蹴されそう(笑)。
そうなんですよね。
あれやりたい。これしたい。と好奇心旺盛なのはいいですが、たった5行をまとめるのに3時間、こんな拙い文章を完成させるのに約1週間かかってしまうのが今の私です。悲しい。
理想と現実の差がなくなる日は来るのだろうか……。
時々自分が嫌になったりもするけど、めげずにしっかりと根を張って生きていこうと思います。