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成功までの足取り

 年齢的には若いが、4人のミュージシャンとしてのキャリアはかなりのもの。結成されたのは2015年というから、いまから約6年前のこと。当初はローマの繁華街などに繰り出し、路上演奏で腕を磨いていたそうだが、2017年に出演したTVオーディション番組のイタリア版「Xファクター」をきっかけにブレイク。番組内で演奏したカヴァー曲(フォー・シーズンズの“Beggin’”、ブラック・アイド・ピーズの“Let’s Get It Started”、キラーズの“Somebody Told Me”など)や、デビュー・シングルとなるオリジナル・ソング“Chosen”を収録したEP『Chosen』も大ヒット。本国イタリアを中心に快進撃をスタートさせている。

 TVのコンテスト番組出身者と言えば、デビュー時をピークに、その後どんどん人気が下降していくパターンが多いが、彼らの場合は、そこから着実にオリジナリティーを積み上げ、評価や知名度をアップさせていった。2018年に発表した初のフル・アルバム『Il ballo della vita』(イル・バッロ・デッラ・ヴィータ=〈人生のダンス〉)は、イタリアの国内チャートで1位を記録。“Morirò da re”(伊2位)や“Torna a casa”(伊1位)といったシングル・ヒットも次々と放たれた。当時のサウンドは、現在よりもポップで、マルーン5やブルーノ・マーズ、エクストリームらを彷彿とさせるファンク寄り。また曲によってはレゲトンやラップなども取り込んで、多様なポップ・ロックを鳴らしていた。実際、影響されたアーティストとして、彼らはブルーノ・マーズをはじめ、レッチリ、フランツ・フェルディナンド、アークティック・モンキーズ、デヴィッド・ボウイ、ハリー・スタイルズなどの名を挙げている。