
新メンバーを迎えた5人体制で初のシングルは、混迷の時代を超攻撃的にぶち抜く怒涛のダンス・ロック・チューン! これがNEW GENERATiONの勢いだ!
1月の〈KiLLiNG IDOLS TOUR〉で幕を開け、豪華なバンド編成での東北ツアーや過去最大規模の中野サンプラザ公演、さらには多様なゲリラ・リリース、ZOCとのスプリット作……などなど毎月のようにトピックを重ね、新メンバーのナノ3(読み:ナノナノナノ)を迎えた新体制初ステージの12月まで駆け抜けた2021年のBiS。今年1月には早速〈NEW GENERATiON BiS TOUR〉を完走した5人に、とまらない勢いを体現したニュー・シングル“DA DA DA DANCE SONG”の話を訊きました(取材は1月後半に行いました)。

良くなる気がする!
――ナノ3さん加入後の初取材となりますが、まずは2021年の印象的だった出来事をそれぞれ教えてください。
チャントモンキー「私は初のバンド編成での東北ツアーがいちばん思い出に残ってます。バンドでやるのは憧れでもあって、生音のライヴ感とか、その日にしかできないことができるライヴらしさがあって、〈こういうライヴもっとやりたいな〉って思えるツアーでした」
イトー・ムセンシティ部「私は、ライヴで歌い続けてきた“TOUCH ME”をシングルで出せたことです。曲をいただいた頃は世の中も自分もナイーヴな時期だったんですけど、この曲を歌えたことと届けられたことが幸せな思い出として残っていて。シングル化したらまた聴こえ方が変わって、研究員への感謝とか、いろんな気持ちを教えてくれた大事な曲をリリースできたのが嬉しかったです。そのMV撮影で実家に戻ったのも、〈エモいことしちゃったな〉と思ったし(笑)」
ネオ・トゥリーズ「エモいね。私はロックなレジェンドの先輩たちの曲を歌ったカヴァー・アルバム『BiS DiVE into ROCKS』です。BiSとしても個人でも吸収したり学ぶことが凄く多かったし、何よりバンドの皆さんのおかげでBiSを知ってくれた人がたくさんいて。音楽で人と人が繋がれるのって凄いことだし、BiSにとって大きい一歩を踏み出せたかなって思います」
――4人で最後の作品という意味合いもありましたね。では、トギーさんは?
トギー「私は、新メンバー募集を渡辺(淳之介:マネージャー)さんから告げられた時ですね。ビックリしたけど、〈どうなるの?〉っていう不安よりは〈これから良くなる気がする!〉みたいなフィーリングがピコン!って……何て言うんだっけ。ス、スピリタス」
ティ部「違うな、それ全然たぶん違うな」
――スピリタスは酒です(笑)。
ネオ「ヤバッ(笑)」
トギー「スピリチュアル?」
――インスピレーション?
トギー「そう! インスピレーションが湧いて。渡辺さんもBiSが何段階も上に行けるように加入を決めてくださったので、2021年の大きい出来事と言えばそれかなって」
――BiSのメンバー募集は久しぶりでしたが、皆さんはどう受け止めましたか?
モン「〈良くなる気がする〉っていう謎の感じはありましたね。4人で凄くがんばってきたけど、もっと上に行くために進化できるか試されてるんじゃないかなって……勝手に試されてるって思いました(笑)」
トギー「別に〈このまま4人で続けるのは良くないかも〉って考えてたわけじゃなくて、ちゃんと自信を持って4人でがんばってたけど、それでも〈いいじゃん!〉って思えたのは不思議なんですけど。何でだろうね?」
ネオ「わかんない。私も良い意味でウワーッって鳥肌が立った。嬉しいというか、楽しみだなと思いました」
ティ部「そこは全員めちゃくちゃ前向きでしたね。おもしろいことがしたくてBiSに入ったんですけど、何かしらの変化があるのって自分も見てる人もおもしろいと思うし、どうなるかわからないものに飛び込んでいくのが私は楽しいので、それをBiSでできるのが凄く嬉しかったです。どうなるのか自分たちでも楽しみでした」
――よかったです。ナノさんはどういうきっかけで応募したんでしょうか。
ナノ3「もともといろんなアイドルが好きで観てて、BiSHさんからWACKを知って、そこからBiSも観るようになって。で、オーディションがあるのを見て、やってみたいという気持ちだけですぐ応募しました」
――過去にオーディションの経験は?
ナノ「なかったです。初めて受けました」
――なぜ今回は受けようと思えた?
ナノ「わからないです(笑)。将来やりたいことが何もなくて、自分は何やるんだろうって自分でも思ってて、その時に告知を見て〈あっ、やりたいな〉って……」
トギー「インスピレーションだ(笑)」
ナノ「そう、インスピレーション(笑)。ビビビッてきた感じです」
トギー「あと、面接でナノが事務所に来た時に、たまたまエレベーターで4人とバッタリ会っちゃって。全員で会った候補者の子ってナノだけなんですよね」
ナノ「〈あっ、あ~〉って、ビックリしたよ」
ティ部「〈たぶん受けに来た子だね〉〈めっちゃ可愛かったね〉とか話してたら、その子が加入してきたっていう(笑)」
トギー「そう。ネオがさ、〈あの子、入るんじゃない?〉とか言ってた」
ネオ「顔合わせの時にビックリしちゃったよね。〈あ、会った子だ~〉って(笑)」
明るさが底上げされた
――正式に顔合わせしたのはいつ頃?
ティ部「決定してからサンプラザも観にきてたので、10月の頭くらいですね」
――自分が合流するまでの間、BiSを間近で見てどうでした?
ナノ「いままでは表の活動しか見えなかったけど、裏ではこんなに練習してるんだとか、見えなかったところが見えて、〈自分もがんばらないと〉って気持ちになりました」
――加入時のナノさんはどんな印象だったんでしょう。
トギー「あたふたする様子もなく、落ち着いてて、〈すげえ肝座ってんな~〉って」
ティ部「落ち着いてるなって思ったのはもちろんなんですけど、〈あっ、この子だけめっちゃ都会の子だ〉って思いました。私たちが最初に顔合わせした時と違って、垢抜けてるなって(笑)」
モン「キラキラしてた。お洒落だし、可愛いなって思いました(笑)」
ネオ「第一印象では、口数少なくて〈おとなしい子だな〉と思ってて。でも、練習で初めて5人で“STUPiD”を踊った時に、すっごい笑顔で踊ってて。初心を感じたっていうか、何も考えず楽しんでやれてるのが素敵だなと思いました。ちょっと羨ましくなっちゃったっていうか(笑)、〈キラキラしたままでいてほしいな〉って思ったり。活動的にそうはいかないと思うけど(笑)」
トギー「でも、何があっても、ずっとニコニコ立ち向かえそうだなって思う」
ナノ「がんばる(笑)」
――雰囲気はさらに明るくなった印象ですが、5人になっての変化は感じますか。
ティ部「BiSってめっちゃ元気でうるさいイメージなんですけど、そこに地で明るいナノが加わって、さらにうるさくなって良いなと思っています(笑)。あと、全曲のフォーメーションをみんなで作り直したんですけど、やっぱり5人でセンターがあると見栄えがめっちゃ良くなったし、全員でステージを大きく使えたのが楽しくて、それはツアーを回って実感しましたね」
モン「もちろんフォーメーションとか歌割は変わったんですけど、ナノが入ったことによって4人に〈しっかりしなきゃ〉みたいな気持ちも生まれて、みんながちょっとお姉さんに見えます(笑)」
トギー「ナノのお披露目のO-EASTで2曲やったんですけど、手を合わせて目が合う振付けのときにナノがニコニコ楽しそうな笑顔をしてて凄い嬉しくなったのを覚えてて。前からライヴは楽しいし、楽しんでるつもりだったけど、BiSの明るさとか楽しさを底上げしてくれる子が入って、さらにパワーアップしたな~って思ってます」
――そのお披露目のステージのことは覚えていますか。
ナノ「一瞬で終わってて、記憶にない感じです。緊張してたから映像も観たくないくらい(笑)。でも楽しかった」
ティ部「それぐらい無我夢中でやれたってことだもんね」
――年明けには初めてのツアーも経験されましたね。
ナノ「曲数がいっぱいあって、できるのかなって不安もあったんですけど、やっぱりいままで4人のBiSが好きで来てくれてた人たちに〈5人になって良くなくなったな〉って思われたら終わりなので、新メンバーだって思われないくらいのことをやらないとって思ってました」
トギー「〈5人になって良かった〉って思ってもらうためには自分たちがそう思えてないと伝わらないし、ちゃんと〈5人のBiSはいいだろ?〉っていう気持ちでやれたので、きっと良い気持ちを抱いてくれてるんじゃないかなと信じてますね」
一緒に踊りたくなるダンス・ロック
――そして5人での初音源となるシングル“DA DA DA DANCE SONG”がリリースされました。
モン「はい。“DA DA DA DANCE SONG”はめちゃくちゃ踊れるダンス・ロックになっています。振付けも一緒に踊りたくなるようなものにしたくてこだわって作って、もうライヴではお客さんも思いっきりノッて踊ってくれてるので、これからライヴやフェスの定番曲になるんじゃないかなって」
――初見の人でもすぐ巻き込めそうな勢いがありますね。
ネオ「めちゃくちゃ好きなんですよね。BiSはノリノリでリズムが速い曲もいっぱいあるけど、また違う感じ。初めて聴いた時から一瞬で身体に馴染んでくるというか、音とメロディーがガチッとハマる感じが大好きな曲です」
トギー「めちゃテンション上がるし、何も考えずライヴで馬鹿になりたい曲です。音源でもナノが叫んでるじゃん? そこがライヴみを感じられて、めっちゃ好きですね」
ナノ「松隈(ケンタ:サウンド・プロデューサー)さんに〈江戸っ子みたいな感じで歌って〉って言われて、〈ビビったら 始まらねえ〉のところを歌ったり、歌詞は〈やらなきゃできない〉だけど、〈やらなきゃできねえぞ~!〉って叫んでます(笑)」
モン「ディレクションで言うと、私は1サビの〈思い通りいくわけないだろ〉っていうところで〈チバユウスケさんっぽくやって〉って言われて。カヴァーしてなかったらイメージすらできなかったので、〈活かせてる気がする!〉って思いました」
――トギーさんはクセの強い歌いっぷりがさらに全開になっていますね。
トギー「ずっとガナってるんですけど。この曲でちゃんと歌うパートが1つもなくてビックリした。まあ、みんながちゃんと歌ってくれてるから、私は全力でふざけ……てはないけど、真面目に遊ばせてもらって。楽しいレコーディングでした」
――まさに盛り上がるための曲という感じです。それに対してカップリングの“とまらない歌”は、言葉のための曲という印象ですね。
ティ部「正反対すぎる(笑)」
モン「優しい曲です。BiSは速い曲が多くて、帰り道に歩きながらゆっくり聴けるようなテンポの曲ってあんまりなかったので、こういう歌も歌えるのが嬉しいなって素直に思いました」
ネオ「嬉しい。ちょっとクセを抑えたトギーの歌も凄くいいなと思った」
トギー「そうそう。優しくした」
ナノ「初めて聴いた時からめちゃくちゃ良い曲だな~と思って。寄り添ってくれるけど、背中を押してくれるみたいな。何かそういう感じがしました」
ティ部「こういう〈他人は他人だし〉みたいな言葉に自分も救われてきたことがあったし、歌ってる自分たちもめちゃくちゃ優しい気持ちになれる曲ですね」
トギー「続けていくにつれて、歌詞の意味ももっと自分の中に入ってくるような気がしてて。〈かわらない〉とか〈とめられない〉って何かを続けてきた人にしかわからない感情だと思うので。躓いた時に聴いたら凄く刺さりそうだなって思ってます」
ティ部「サビがユニゾンなのも珍しい」
ネオ「ね、落ちサビとか全員で歌うから」
トギー「全員で歌った後に、音が静かになってネオひとりが歌うパートもいいよね」
ネオ「たぶんライヴでも歌詞がスッて入ってくるから、みんな〈良い歌詞だな~〉って」
トギー「ね。好きって言ってくれる人、多かったよね」
モン「耳に残りやすいので、Twitterでも、〈サビがずっと頭の中に残ってる〉〈歌詞が良かったから早く歌詞が見たい〉って言ってくれてる人もいました」
BiSの音楽で上に行きたい
――わかりました。リリース直後には昨年に続く東北ツアー〈ARABAKI×BiS GiP! -GREAT iDOL PURiTANS- 2〉も始まりますが、2022年の展望はいかがでしょうか。
ネオ「勝負の年」
トギー「そうだね。いろんな場所に行ってナノが入った5人体制を早く観てもらいたいし、人数とか関係なくBiSをずっと観てたいって思ってもらえる人を今年も増やしていきたいです」
ティ部「去年のカヴァー・アルバムをきっかけに知ってくださった方の層も広がったと思うので、例えばロック・フェスに出たり、いろんな人たちに聴いてもらう機会を今年も増やしていけるようにがんばりたいです」
トギー「BiSって暑苦しい熱量があって、ライヴハウスだとそれがわかりやすく出せるんですけど、もっと大きくなりたいので、大きい会場でも熱量まみれのライヴができるグループになりたいですね」
ナノ「2022年は……4人に負けないぐらいがんばります」
――負けない? 追い抜く?
ナノ「はい、追い抜かすくらい(笑)」
――言わせてるけど(笑)。
ネオ「うちらも抜かれないようにしなきゃ」
――余談ですけど、去年〈BiSHを超えたい〉っていう話をされていて、状況が変わった現在はどんな心境ですか?
モン「超えたい気持ちはずっとあります。文字になって何か誤解されちゃうと怖いんですけど、BiSHって凄く大きな存在だから、目標や憧れという意味でもあって」
――意味は伝わると思いますよ。
トギー「誤解されても別にいいけど(笑)」
ネオ「自分たちの中で固まってるものがあるからね」
ティ部「言葉が難しいですよね(笑)。もちろんナメてるわけじゃなくて、だけど、BiSの音楽がいちばん好きだし、カッコイイと思ってるから、だったらBiSの音楽でもっと上に行きたいし、私たちは私たちの良さで突き進んで超えていかなきゃいけないっていう気持ちです」
トギー「BiSHは凄いけど、余裕で超えれるぐらいにならないと……もう次はBiSがその立場に行かないとダメだからね、もう……語彙力、語彙力が(笑)」
ティ部「うんうん、わかってるよ(笑)。みんなそう思ってるよ」
――それを期待されていると思います。
トギー「はい。もうね、自分たち次第なので、がんばりましょう」
モン「どこに言ってるの(笑)」
トギー「みんなに、みんなにだよ。がんばりましょうね」
モン「うん。2022年もBiSらしくがんばりたいと思います」
BiSの歴史をまとめた書籍「BiS BOOK -What is BiS?-」(StoryWriter)
新時代に差し掛かった3期BiSの歩みを強力なディスコグラフィーで改めておさらい!

旧BiSの初作にジャケも倣った同名のデビュー作。力強い歌唱が最高の起爆剤となった“STUPiD”を筆頭に、“BiS-どうやらゾンビのおでまし-”“this is not a love song”“SURRENDER”など、傷みを感じさせる鋭敏な表現が粒立ってくるのもこの時期ならでは。リリース前日にメンバー脱退という波乱の幕開けも話題になった。

ジャケのオブジェが仄めかすように新たな5人で出すはずだったファースト・シングル。ネオが作詞したパンキッシュなカップリング曲“テレフォン”はこの後のアルバムにも収録されたのに対し、マリリン・マンソンを連想させるヘヴィーで妖しげなタイトル・トラックは現時点でアルバム未収録のまま。

初作から半年で登場したセカンド・アルバム。先達の例に倣って冒頭3曲は前作収録曲の〈NEW TYPE Ver.〉を叩き込み、ジャケが示す通りの“BASKET BOX”を筆頭に“TRAP”“KiSS MY ASS”などラウド方面に焦点を絞ったパンキッシュなナンバーが揃う。歌唱力の高さを活かしたスロウ“LAUGH AT ME”も聴きどころ。

オンラインでのゲリラ販売などで話題を撒いたステイホーム期の楽曲を軸とする7曲入りのEP。やるせなさの漲る“イミテーションセンセーション”や“I WANT TO DiE!!!!!”が繊細な色を投影する一方、痛快な“DiRTY and BEAUTY”や定番となった“CURTAiN CALL”などライヴ映え必至のメロコア路線も充実している。

前年のプロパガンダ盤で公開した旧BiS曲オマージュの“HiDE iN SEW”やクレーンゲームの景品(!)が初出となる“COLD CAKE”を収めた2枚目のEP。ネオが心情を綴ったYUNOSY作の美曲“I ain't weak maybe..”、田仲圭太によるエモいピアノ・ポップ“つよがりさん”という陣容も振り幅のある聴き応えに繋がっている。

両A面のセカンド・シングル。もともと前年のゲリラ販売カセットテープ『イミテーションセンセーション』に隠され、ライヴを通じて愛されてきた“TOUCH ME”は、美しいストリングスと鍵盤も効いたセンチメンタルな大名曲。ラフなロックンロール“LOVE”のストレートな歌いっぷりも相まって、真摯な印象を残す一枚だ。
ツーマンでツアーも行ったZOCとのスプリット作品。両グループの制作陣を交換した表題曲とお互いのカヴァーで構成され、大森靖子のプロデュースによる“割礼GIRL”はエクストリームな可愛さと毒気で突貫する痛快曲に。SCRAMBLESがストリングスを強調して仕上げたZOCの名曲カヴァー“family name”も聴きものだ。

AKB48の柏木由紀がWACKの全グループに加入するという、〈KASHiWACK〉企画のひとつとしてリリースされた5人編成でのシングル。開放的なメロコア仕立てで疾走するタイトル曲では単なるコラボレーション以上の一体感が楽しめる。カップリングには5人で披露した“STUPiD”を収録。

〈ARABAKI〉用のバンド・セットで絡んだ縁からBEAT CRUSADERS、KEMURI、BRAHMANを取り上げた限定シングル群に続き、サウンド的なルーツを掘り下げた日本のロック・バンドのカヴァー集。ジャケが示唆するTMGEはもちろん、Dragon AshやNUMBER GIRLらの名曲を披露している。これが4人で最後の作品に。
