連載

【BOY 奥冨直人の宇田川放送委員会】第12回 春の始まり。胸の温度を上げる逞しい激情の音楽。――TORAUMA、NOUGAT、yard ratを紹介

 

 わたくし奥冨が、今聴いているアーティストや作品について愛情たっぷりにお伝えしていく連載〈BOY 奥冨直人の宇田川放送委員会〉。今回は、激情的でいて言葉や音から伝わる逞しさを持ったアーティストを。

TORAUMA 『Sternbergia』 Final Weapon Company(2021)

1. TORAUMA  Sternbergia Final Weapon Company(2021)
青森出身、現在は沖縄を拠点とするラッパーの1stアルバム。感情や環境に素直で赤裸々なリリックが聴き手の心を揺るがし、心地良いメロディーは何度も聴き返したくなります。“Sol”を初めて聴き感じた迸るエナジーに気持ちを掴まれ、しばらく繰り返し再生するほどに魅了されました。誰しもの日常に重なり、寄り添う音楽。そんな、弱さも曝け出せる優しい逞しさに、背中を押されます。

 

NOUGAT 『40 MINUTE MEDITATION』 LIKE A FOOL(2021)

2. NOUGAT  40 MINUTE MEDITATION LIKE A FOOL(2021)
東京を拠点とする4人組バンドの2ndアルバム。ツインベースならではの重厚感とポストロックやポストハードコアの凍てつき、90sオルタナの繊細さ等、紐解けば様々な音楽からの影響を感じます。不穏なイントロから始まる“あいはなけなし”は、コーラスワークや解放感が独特で最後は何故か切なさを感じてしまう、このバンドの魅力にどっぷり浸かる事になったきっかけの1曲。

 

yard rat 『Fingerpost』 4JC(2022)

3. yard rat  Fingerpost 4JC(2022)
この熊本のバンドを知ったのは、原稿を書き出すほんの少し前。力強く地を踏み進む様な頼もしいアンサンブル、胸の内をグッと熱くさせる楽曲は聴けば耳を離れないはず。この1stアルバムは冒頭の“Shinonome”からフルスイングの爽快な一枚。やっぱり真っ直ぐで清々しいバンドサウンドは大好きだな、と改めて認識させられた存在です。季節の移ろいや生活感を感じ取れるのも安心感がある。

 


PROFILE: 奥冨 直人(BOY)
平成元年・埼玉県生まれ。ユースカルチャーを発信するファッションと音楽のコンセプトショップ〈BOY〉を2009年渋谷円山町にオープン。2014年に現在の宇田川町店舗に移転・独立。現在スペースシャワーTVにて配信番組「スペトミ!」のVJを担当。DJやスタイリングなど日々の活動は多岐にわたり、どんな時代も楽しく暮らしている

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