若い才能の加入がもたらす新生カシオペアの化学反応
今年はカシオペア結成45周年、またCASIOPEA 3rdとなってからの10周年という節目。このタイミングで第1期カシオペアの元メンバーであり、第2期の半ばからCASIOPEA 3rdまでの長きにわたりサポートを務めてきたドラマー神保彰が卒業し、新メンバーとして今井義頼を迎えることになった。この機会にバンド名をCASIOPEA-P4と改め、カシオペアの第4期がスタートする。
「神保君にはずっとスペシャル・サポートという形で参加してもらっていましたが、CASIOPEA 3rdの10周年を機に卒業したいという申し入れがあったんです。彼も多忙なアーティストですからね。「中途半端な形で何年も参加してきたことは申し訳ありませんでした」と彼は言ってくれましたが、こちらこそ感謝しています。そういうわけで神保君の円満退社が決まり、それを発表したことでそれなりに踏ん切りのついたツアーができました」
――新ドラマーとして今井義頼が選ばれた経緯は?
「神保君からの申し入れがあった時点で、次は誰にどういう形でやってもらおうか? という相談はメンバーの間で始めていました。最初は、スペシャル・サポートという形でいろんな人が候補にあがったのですが、最終的に残ったのが今井君でした。元々、今井君は私や鳴瀬さんが教えている音大の学生だったんですよ。もう卒業して13年くらい経つんですが、彼の成長過程はずっと見てきました。また、彼は鳴瀬さんの野獣王国で5年くらいサポートをしていたんです。私もそのライヴに一度参加したことがあり、その時も良いプレイをしていました。大高さんとも、別々のバンドで対バンしたことがあったそうです。だから、気心も知れているので我々のバンドにもマッチするだろうと思ったのです」
――カシオペアに正式メンバーとしてのドラマーを迎えるのは、なんと25年ぶりの快挙ですね。
「一応、最初に今井君に参加を依頼したときはスペシャル・サポートという形でした。ただ、バンドとしてそういう形をいつまで続けるのか?ということに自分の中では疑問があったことは確かです。我々はもう若いバンドではありませんから、変な言い方ですけどバンドの最後はサポートではなくて正式メンバーで固めたいという思いもありました。鳴瀬さんも極秘練習と称して今井君と二人でリズム・セクションだけで練習も開始していて、彼なら正式メンバーでいいのではないかと賛成してもらえました」
――CASIOPEA-P4のPには、ページ、場面、現在、プレミアムなどの意味が込められている。
「単純にメンバーチェンジということではなく、これからまた心機一転という形でバンド名も3rdからP4と変えて新たな出発をしようということです。メロディやリズムは新しいのですが、デビュー当時の世界観があるようなサウンドにしたいという考えがありました。どこか懐かしいけど新しい、そんなスタイルです。そこへ今井君という存在を得て、それならできると思ったんです。彼は子供の頃から、神保君のドラムのコピーや研究に明け暮れていたほどのカシオペア・ファンなんです」
――驚くべき新鮮さとパワーに溢れたニュー・アルバム。そのようなサウンドを録る秘訣は?
「新曲は事前に譜面を送っておいて、各自で自宅練習。実際に全員で音を出したのはレコーディングの初日です。1日に2曲ずつ、10曲を5日間で録音しました。テイク数は1曲につき3~4テイク。それ以上のテイクを重ねると、演奏自体は上手くなってもパワーが低下したりしますから、フレッシュなうちの一番良いテイクをキープしてそれに後から手を加えていくという作り方ですね。今は全員で一緒にレコーディングをするバンドは少ないと思いますから、やり方としては贅沢ですね。このやり方だと、レコーディングの現場で曲の最終的な形が見えますから、これがバンドの醍醐味ではないかと思います」
――ニュー・アルバムのコンセプト、そしてレコーディングを終えての感想は?
「3年ぶりのレコーディングでしたが、緊張することなく良い作品を作ろうという雰囲気で臨めたのが良かったですね。今井君という若い才能の加入で、バンドのモチベーションも上がりました。狙いは、聴き終わったときにコンサートを体験したように感じるアルバムにすること。ラストの曲で一番盛り上がるように作りましたので、ぜひコンサートを見に来た感覚でアルバム1枚を通して楽しんでいただきたいと思います」
――それでは、新生カシオペアP4がコンサートでファンの前に姿を表すのはいつ?
「ライヴはお披露目としてまず10月の21日(金)と22日(土)、東京・BLUE NOTE TOKYOでそれぞれ2ステージずつ行います。この会場は1ステージが70分くらいなので、ニュー・アルバムから5曲くらいと、あとは皆さんがお聞きになりたいであろう曲、という構成で考えています。客席には空間的な余裕もありますし、飲食もできますから、リラックスしてご覧ください。東・名・阪のツアーも12月に予定していますので、お楽しみに!」
LIVE INFORMATION
CASIOPEA-P4 ~Special First Live~ P4
2022年10月21日(金)/22日(土)東京・南青山 BLUE NOTE TOKYO
■21日
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:19:45/20:30
■22日
開場/開演:16:00/17:00
2ndステージ
開場/開演:19:00/20:00
出演:野呂一生(ギター)/鳴瀬喜博(ベース)/大高清美(キーボード)/今井義頼(ドラムス)
お問い合わせ:03-5485-0088 (受付時間:平日12:00~21:00/土日祝12:00~20:00)
★2022年12月 東京・名古屋・大阪ツアー予定
株式会社ハッツアンリミテッド:https://hats.jp/
株式会社カシオペアインターナショナル:http://www.casiopea.co.jp