日野元彦

日野元彦カルテット+2のアルバム『Flying Clouds』が2022年11月24日にDays of Delightからリリースされた。また、鈴木勲カルテット+2のアルバム『Blue Road』も本日12月15日にリリースされた。

平野暁臣がファウンダー&プロデューサーを務めるレーベル、Days of Delight。同レーベルが、伝説のジャズレーベル、スリー・ブラインド・マイス(Three Blind Mice)の未発表ライブ音源を発掘し、2作品を連続リリースした。

1枚目は、76年に録音された日野元彦カルテット+2の『Flying Clouds』。演奏は北海道・根室で収録された名盤『流氷』(76年)のステージから3か月後で、録音メンバーに今村祐司を加えたセクステット編成で白熱のパフォーマンスが繰り広げている。また、タイトルナンバーは、日野元彦が書き下ろした未発表曲だ。

鈴木勲

2枚目は、75年に録音された鈴木勲カルテット+2の『Blue Road』。演奏は名盤『オランウータン』(75年)のレコーディングの翌月で、録音メンバーが満を持して臨んだ〈5 Days in Jazz 1975〉における貴重なギグの記録だ。

 オリジナルテープ

トラックダウンの様子

いずれもスリー・ブラインド・マイスを主宰していた藤井武が個人的に保管していた2インチマスターテープを、〈釜焼き〉と呼ばれる工程を経てデジタル化したもの。今回はその藤井の監修のもと、TBMの音作りを一手に引き受けており、当時のライブレコーディングも担当していた〈TBMサウンドの番人〉と言うべき神成芳彦がトラックダウンを行った。藤井=神成コンビが復活したことで、半世紀前のTBMサウンドが再現されている。

日本のジャズシーンがもっとも熱く絶頂期にあった70年代半ばの、半世紀のあいだ眠りについていた秘蔵音源が、ついにベールを脱ぐ。21〜22歳の渡辺香津美をはじめ、若きスタープレイヤーたちのいきいきとした演奏を現在に伝える両作は、当時の日本のジャズの最高水準を記録したものだ。2枚の貴重な発掘盤を、ぜひ手に入れてほしい。

 


RELEASE INFORMATION

日野元彦カルテット+2 『Flying Clouds』 Days of Delight(2022)

リリース日:2022年11月24日
品番:DOD-030
価格:2,750円(税込)

TRACKLIST
1. 流氷(M. Hino)…………………21:10
2. Olive’s Step(K. Watanabe)……23:11
3. Flying Clouds(M. Hino)………17:22
(1976年5月27日 東京・ヤマハホールにてライヴ録音)

監修:藤井武/録音&ミックス:神成芳彦

■演奏者
日野元彦 Motohiko Hino drums
山口真文 Mabumi Yamaguchi tenor saxophone
清水靖晃 Yasuaki Shimizu tenor saxophone
渡辺香津美 Kazumi Watanabe guitar
井野信義 Nobuyoshi Ino bass
今村祐司 Yuji Imamura percussion

 

鈴木勲カルテット+2 『Blue Road』 Days of Delight(2022)

リリース日:2022年12月15日
品番:DOD-031
価格:2,750円(税込)

TRACKLIST
1. Blue Road(I. Suzuki)…………………17:19
2. Where Are You Going(S. Horn)……7:54
3. Bird of Beauty(S. Wonder)…………4:36
4. Orang-Utan(I. Suzuki)………………19:32
(1975年5月26日 東京・日本都市センターホールにてライヴ録音)

監修:藤井武/録音&ミックス:神成芳彦

■演奏者
鈴木 勲 Isao Suzuki bass, cello, electric piano
森 剣治 Kenji Mori alto sax, bass clarinet, flute
渡辺香津美 Kazumi Watanabe guitar
守 新治 Shinji Mori drums
河上 修 Osamu Kawakami bass, electric bass
中本マリ Mari Nakamoto vocal