10月1日から来年1月22日まで、早稲田大学演劇博物館での企画展〈村上春樹 映画の旅〉。本書は企画展の公式図録となる。村上春樹の小説、エッセイの中には、数多くの音楽が流れているが、音楽同様、映画作品も度々登場してくる。村上作品を語る上で映画の存在は欠かせない。収録のエッセイ〈自分自身のための映画〉は、勿論必読だが、濱口竜介監督のインタヴュー、巻末の〈村上春樹著作登場映画リスト〉等貴重な資料と言えよう。村上主義者にとってバイブル的1冊。本書を読んで再び小説のページをめくりたい。