第74回カンヌ国際映画祭での脚本賞受賞を始め、日本映画として初めて米アカデミー賞作品賞にノミネート、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞を合わせ計4部門でノミネートという快挙で話題をかっさらっている。村上春樹原作「女のいない男たち」所収短編小説「ドライブ・マイ・カー」を濱口竜介監督は、原作の持つイメージを壊すことなく、より一層深みのある作品を生み出してくれた。物語は西島秀俊、三浦透子達演じる人物を介して、喪失、再生そして希望への人生を静かに私達に語りかけてくれる。そして我々は約3時間の物語を主人公と共に体験してゆくことになる。世界に輝く作品がここに誕生した瞬間だ。