「いちばん最後までとっておいた翻訳作品」。この一文は物語同様、読者の心を鷲づかみにする。フィッツジェラルド、チャンドラー等々。村上春樹が翻訳し、その文学世界に初めて足を運んだ人。又、新訳で久しぶりに物語のページをめくったファンは日本、そして世界で数多いことであろう。伝説の女流小説家、カーソン・マッケラーズの不朽の名作「心は孤独な狩人」は、70年代に河野一郎によって翻訳されたが、以後入手はほぼ不可能。村上春樹によって新たに日本の地でその物語りに出会える事は、まさに小確幸(小さいが確実な幸せ)。最後の訳者あとがきも必読。〈村上柴田翻訳堂〉シリーズ第一弾の同著「結婚式のメンバー」も読んでおきたい。
カーソン・マッカラーズ「心は孤独な狩人」村上春樹が満を持して訳したとっておきの作品で〈小確幸〉を味わう
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