多様なユニット活動を並行させる〈ヒップホップな鍵盤奏者〉のライフワークといえば、インスト主体の〈UNDER THE WILLOW〉シリーズ。昨年の2作に続いて早くも届いたこの第5弾は、〈リビルド〉を主題にセッションの産物やライヴ音源を混在させ、客演者の〈声〉を前に出して再構築した変則的な内容だ。とはいえ、一貫して温い臨場感は成り立ちの差異すらも快い起伏に転じるもので、つまりは後ろに控える主役のヴァイブが場所を選ばないということなのだろう。JABALI-KICKmabanua韻シスト椎名純平らが各々の洗練と人間味を注ぎ込むなか、同オケを下地にしたMETROCKRIDE組とSTERUSSそれぞれのトラックが抜群。いい感じのライヴ盤みたいに、聴いてる場の空気も塗り替える快作だ。