NOT WONKの加藤修平によるソロ・プロジェクトのファースト・アルバム。〈バンド〉という枠組みから一旦解放され、数多くの音楽家が参加した本作は、彼の持つ先鋭的な作家性がそれぞれの方向に研ぎ澄まされた9曲を収録。アブストラクトな色合いの強い“最後”、くるりの岸田繁がオーケストレーションを手掛けた“I Warned You”、SMTKの石若駿と松丸契らが参加し、ジャズとビート・ミュージックが混ざり合うインスト“offshore”など、〈音響派〉という言葉を現代に更新するようなアヴァンでスリリングな楽曲がずらりと並んでいる。特徴的なヴィブラートはそのままに、バンドとは違って日本語で心象が綴られている歌から、アーティスト名通りの深い悲しみと親密さが同時に感じられるのも特別な部分だ。