英国映画協会が10年ごとに発表している〈史上最高の映画100〉2022年版で1位に選出。この作品が1位に選ばれたのはこの10年の時代背景を考慮に入れなければならないだろう。本作は1975年公開されているが、同年にマルグリッド・デュラスの「インディア・ソング」も公開されているのは非常に興味深い。シングルマザーの平凡な日常が徐々に瓦解していく3日間を描いていて、徐々にズレが生じる様は映像のシンプルさと相まってミニマル・ミュージックの理論を思わせる。会話がほとんどない映画ですが息子との会話のなかでボードレールの詩を朗読するシーンが個人的に印象に残っている。
映画「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番」史上最高の映画1位になったシャンタル・アケルマン監督作 シングルマザーの日常が瓦解していく3日間を描く
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映画/映像