完全体になったExWHYZが早くもセカンド・アルバムを完成! さらに自由で刺激的なサウンドと豊かな人間味を獲得したダンス・ミュージックの桃源郷は、進化し続ける6人の現在進行形を明快に照らしている!

 昨年11月にファースト・アルバム『xYZ』を発表して初の全国ツアーを敢行、休養していたmidorikoも今年1月のツアーファイナルから復帰し、改めて完全体となったExWHYZ(イクスワイズ)。そんななか、4月1日の春ツアー〈ExWHYZ TOUR 2023 xANADU〉初日にサプライズで登場したのがセカンド・アルバム『xANADU』です。その日は新加入したayuni(BiSHのアユニ・D)を含む7人編成で『xANADU』全曲のパフォーマンスを完遂、7人で録音したアルバムを来場者に無料配布するというエイプリルフールの企画が徹底され、併せて公開された“FIRST STEP”のMVも相まって大きな話題となりました。よく考えると正式な『xANADU』は6人編成になるわけで、先に〈+1〉を公開した以上は〈-1〉にも捉えられかねないものですが、そんな杞憂を一蹴する絶対的な自信に溢れたアルバムは、ExWHYZとしての存在感を決定づける傑作に仕上がっています。5月13日には初の日本武道館公演〈ExWHYZ LIVE at BUDOKAN the FIRST STEP〉も控えるなか、今回はグループを代表してmahoとmikinaに話を訊きました。

ExWHYZ 『xANADU』 ユニバーサル(2023)

 

可能性の扉が開かれたアルバム

――前作から5か月で早くもニュー・アルバムが完成しましたね。

mikina「ファースト・アルバムの『xYZ』を出して、ツアーもしてきて、その感触があったうえで、幅が広げられる挑戦をたくさんできたのが今回の『xANADU』です。新しい挑戦ができたり、なりたい自分が新しく見つかったりとか、すごくのびのびできる作品になりました」

maho「『xYZ』が出来たときは、〈ここから始まるんだ〉っていう感激が大きかったんですけど、セカンド・アルバムが完成して聴いたときはこれからが楽しみになりました。ライヴで披露するのもそうだし、〈ここからどうなっていくんだろう?〉みたいな」

mikina

――4月の春ツアー初日に全曲披露されましたが、ライヴでの反応はいかがですか?

mikina「声出しOKになって反応がわかりやすくなったのもあって、一緒に熱が上がってる感じが凄くしています」

maho「“Des Speeching”とかどんな感じになるんだろうって思ってたんですけど、みんな踊りまくってたから、可愛いなって(笑)」

mikina「最初のツアーはまだ始めたてで、お客さんの側も〈どんな感じかな?〉っていう気持ちはあった気がするんですけど、今回は最初からわかってくれている感じだったので、お客さんの楽しみ方もより自由度が上がってきてるのかもしれない」

maho「前のツアーでも純粋にみんなが新しい私たちを前向きに楽しんでくれている感覚があったので、さらにこのアルバムで勢いがつくというか、いろんなことがもっと解放的になったらもっと楽しくなりそうです」

――マスター(ExWHYZファンの総称)の皆さんも楽しみ方を心得てきた印象ですね。で、その素晴らしいアルバム『xANADU』の話に移りますが、まずタイトルが意味する〈桃源郷〉とはどんなイメージなんでしょう。

mikina「開けていくイメージですね。伸びやかで決まった形がない、明るいイメージ」

maho「タイトルの通りここから開けていくイメージというか、いろんなクリエイターの方に力を貸していただいて、ここから広がっていくための可能性の扉が開かれたアルバムだなって思っています」

――今回も多彩なクリエイターの方が参加していて、イントロ的な“xANADU”からの“BLAZE”という冒頭の2曲とラストの“Everything”をyahyelの篠田ミル&山田健人のお二人が手掛ける構成は前作と同じですね。

mikina「“xANADU”から“BLAZE”に繋がっていくところもいいですよね。EMPiREの頃から近い距離で見てくださっていた山田さんが、改めてExWHYZが始まることについて書いてくださったのが嬉しくて」

maho「EMPiRE時代も戦闘態勢を高めるような、ライヴで熱をグッと上げる曲が好きだったけど、ExWHYZでもその部分を出していけるんだって思えたのが“BLAZE”でした。アルバムの最初から熱い感じで歌えるので、自分たちも気持ちが締まる感じがあります」

mikina「覚悟が決まる曲だよね。久々に張り上げ系の声を出したので、レコーディングでも久しぶりに思いっきりお腹を使う感じを思い出しました」

――篠田さん山田さんとは前作に続いてのレコーディングとなりますが、いかがでしたか?

mikina「すごく楽しかったです。相手が山田さんとミルさんっていうのもあって、自分が存分にかっこつけてもいい感じになれたので、雰囲気に乗せられてノリノリで歌えたし、波に乗って録れた曲でした。今回はどの曲も難しかったんですけど、この曲はわりとすんなりモードに入れて良かったです」

maho「山田さんとミルさんのレコーディングはストイックに時間もかけて、〈もっとイケる〉ってなったら時間の許す限りトライする感じなんです。メンバーの良さや引き出しも理解してベストを引き出してくださるから、みんなも信頼してるし」

――midorikoさんがフル参加されて、曲としても改めて6人揃ったなっていう感じが“BLAZE”では特に出ていますね。

maho「そうです。doriちゃんが復帰したからシャウトも入っていて」

mikina「6人揃わないと出来上がらない」

maho「それもわかってて、見せ場を作ってくださっているのがすごくありがたいなって思います。〈6人でベストなんだ〉っていうのをアルバムの最初から出せるのが」

maho

――アルバムでもそうですし、ライヴでのオープニング感も高まりますよね。で、続く3曲目の“Des Speeching”は、大沢伸一(MONDO GROSSO)さんのプロデュース。大沢さんが前作で手掛けた“Wanna Dance”ともまた違うシャープでストイックな印象です。

mikina「日常で聴ける感覚があるのが私は好きです。キャッチーさもあるし、色気もあるし、でも不思議な浮遊感というか、良い意味での違和感もあるし」

――〈ゾラミナサンソワミモッサ〉という呪術的なフレーズも耳に残ります。

mikina「大沢さんの夢の中に出てきたフレーズだそうで、完全に造語らしいです。ExWHYZのためだけの単語。デモの時点でワンコーラスの歌詞も出来上がってて、大沢さんの世界観がそのまま残ってる感じです」

――作詞はmayuさん、mahoさん、midorikoさんも共作されていますね。

maho「私が書いたのは2番の〈知らなかった夢と⿎動が120を数えるほどに/冷え切った声⾔葉こころ君が溶かす〉の2行ですね。この曲は去年のツアーから歌ってる“Everything”を除けば今回のアルバムで最初にレコーディングしたんですけど、みんなでヤバい!って話したよね」

mikina「初めて聴いた時にモチベーション上がりすぎて、帰り道ですごく嬉しかった記憶がある(笑)」

maho「セカンドの一歩目というのもあって、高揚した気持ちで歌詞も書きました」