絶大な評価を得た『Collapsed In Sunbeams』から2年ぶりのセカンド・アルバム。もはや〈マーキュリーの呪い〉とか言ってる場合でもないが、今回はポール・エプワースを除けばロミル・ヘムナニ、ベアードら初顔合わせのクリエイターを迎え、リラックスしたオーガニックな質感から意匠も大きく様変わり。サンプリングやシンセを用いてダビーなフィルターがかった音像にはエレクトロもシューゲイズも内包され、メランコリーとキラキラした昂揚感が入り交じったような雰囲気が全体のトーンを親密にしている。苦くて甘い青春映画のようなエモさが立ち昇ってくる傑作。フィービー・ブリジャーズの客演もハマる。