ロンドン南西部で育ったシンガー・ソングライターのファースト・アルバム。BBCの〈Sound Of 2020〉にノミネートされたりと、活動当初から大きな注目を集めてきたが、そうした期待を裏切らない素晴らしい作品だ。パーソナルな想いや情動が込められた歌詞は、喜び、哀しみ、憂い、あるいはまだ名前がついていない複雑な機微を鮮やかに描く。その歌詞を歌い上げるパークスの歌声も多彩で、凛々しさや弱さなどさまざまな表情を見せてくれる。多面的に楽しめるサウンドも申し分ない。スモーキーな雰囲気を醸すブレイクビーツとリズミカルなベースが光る“Hurt”、ライド・シンバルを多用したドラムスにジャズの匂いが染みついた“Hope”など、アレンジの引き出しが多い。