男たちが乱れ狂った時代に咲き誇る、映画史上最強のダークヒロインとは――綾瀬はるか主演、行定勲が監督した話題のフィルム・ノワールをシシド・カフカが語る。

 綾瀬はるかがリボルバーを手に、男たちの陰謀渦巻く世界に抗うダークヒロインに扮する話題の映画「リボルバー・リリー」。

 よくある大風呂敷を広げた歴史ロマン大作邦画でしょ、と思うなかれ。企画・プロデュースは「孤狼の血」シリーズや「シン・仮面ライダー」を制作した令和の東映アジテーター、紀伊宗之。メガフォンを取るのは「ナラタージュ」「窮鼠はチーズの夢を見る」で知られる恋愛映画の名手・行定勲――とくれば、うるさい映画ファンも食指を動かされるのではないだろうか。

 物語の舞台は第一次世界大戦と関東大震災の痕跡が癒えぬ帝都・東京。かつて美しき冷酷無比な女スパイとして世界を股にかけて暗躍し、現在は玉の井のカフェ〈ランブル〉のマダムとして静かな生活を送る小曾根百合は、不思議な巡り合わせで軍に追われている秘密を握った少年を匿い、巨大な陰謀渦巻く闘いに巻き込まれて、ふたたび銃を手にすることになる。今回はこの壮絶華麗なフィルム・ノワールの見どころを、奈加を演じるシシド・カフカに訊いた。