近年は蓮沼執太フィルとしてシンフォニックな名作を重ねてきた音楽家の久々のソロ作は、アナログ・シンセのふくよかで神秘的なサウンドが軸であるためか、テクノ~アンビエント~ポスト・ロック~エレクトロニカ~ジャズ~ノイズ・ミュージックと渡り歩くアーティスティックな音楽性ゆえか、どこか黎明期のクラウトロックにも近い印象。ジェフ・パーカー、コーネリアス、KOM_I、⾳無史哉、グレッグ・フォックス、石塚周太、新垣睦美、灰野敬二、葛西敏彦らが携わった音(素材)も個性の塊でワクワクしっぱなしだ。美しき実験性に耳を奪われているうちにあっという間の全14曲。至福の時間をぜひ。