蓮沼執太フィルの中核メンバーによる、ツイン・ギター&ツイン・ドラム編成のバンド。2008年の活動開始以降、これが初めての音源集となる。インストが主体のアルバムは、ポスト・ロック~ジャム・バンドにも通じる自由な即興性と高い構築性、間を活かしたアンサンブルがケミストリーを生む、精緻な音響芸術だ。近年もIDM~環境音楽のソロ作に劇伴、灰野敬二とのタッグ作品など、音楽的な探究と拡張に邁進する蓮沼だが、ここではトータス“Seneca”のカヴァーに加えてジョン・マッケンタイアにミックスを委ねるなど、トータスからの影響を表した原点回帰的な面もある。