アンビエントやニューエイジの要素とインド音楽を融合させる2人の作品は、赤塚不二夫の映画サントラと『2 Tone』に続いて3作目。北インドの弦楽器・サロードを取り入れたタイトル曲や、インドの伝統的な7拍子のリズムのタブラソロを元にした《Septem》など、よりインド古典音楽に寄り添いつつも、それだけでは終わらない完全インストゥルメンタルが全10曲。融合という意味では無機物と有機物の融合でもあり、伝統と革新の融合でもあるが、その結果、冷たくクールなのにどこか温かくて人懐こい、より居心地のいい空間が生まれている。少し趣は異なるが、そういう意味ではSKETCH SHOWなどに通じるところがあるかも。

 


アート・リンゼイや坂本龍一が参加した『2 Tone』以来、5年ぶりとなる新作は完全なインスト作品。近年のアンビエント/ニューエイジの再評価ともシンクロする、瞑想的なサウンドスケープが全編で展開されている。一方、パーカッシヴなビートを活かしたミニマル・テクノのような高揚感も同時に感じられ、北インドの弦楽器サロードの演奏家バブイをフィーチャーしたタイトル曲や、同じく北インド古典音楽の伝統的なリズム〈ルーパック〉によるタブラのソロ演奏が基になった“Septem”などは、やはりこの2組ならでは。フィル編成とは異なる小編成だからこそ、蓮沼の出自にあるアヴァンなエレクトロニカに対する趣向性も強く表れていて、00年前後の音響派のシーンからの連続性が読み取れるのもおもしろい。