『Carrie & Lowell』以来、13年ぶりとなるシンガー・ソングライターな作風に涙腺が緩んでしまった。優美なオーケストラ・アレンジとエレクトロニクスによるパンチの効いた音響を融合させた集大成的なサウンドでありつつ、真ん中に据えられているのは、心の柔らかい部分に眼差しを向けるかのような歌心。主役の健康状態を耳にしたいま、本作を聴くことは祈りのようでもある。