アメリカのシンガー・ソングライター、スフィアン・スティーヴンスが継父のローウェル・ブラムスと制作したコラボレーション・アルバム。ユウキ・マシューズ(シンズ)など多くのゲストを迎えて鳴らされるのは、リスナーの意識を飛ばす心地良いサウンド。立体的かつサイケデリックな音像にはララージといったニューエイジのアーティストが脳裏に浮かぶ一方で、妖しげな電子音とインダストリアル・ビートが絡み合う“Agathon”はデッド・カン・ダンスを連想させたりと、非常に多面的な内容だ。収録曲でお気に入りなのは“Afterworld Alliance”。本作の中でいちばんビートが際立ったこの曲は、ミュージック(マイク・パラディナス)に通じるメロディアスなIDMとして楽しめる。