テイラー・スウィフトやフィービー・ブリジャーズら豪華ゲストを招いた9作目。とはいえトーンとしてはヘヴィーかつビターで、言葉には後悔や喪失感が滲む。制作時、マット・バーニンガーは重度のスランプに襲われていたようだが、彼を囲むバンドの演奏はいつにも増して力強い。辛い時期を乗り越えんといま苦闘している人々のための11の歌だ。

 


盟友テイラー・スウィフト、フィービー・ブリジャーズ、スフィアン・スティーヴンス参加。2017年作のグラミー賞を獲得するなどUSインディの頂点ザ・ナショナルが通算9作目を完成。他アーティスト作への参加やボン・イヴェールとのプロジェクトや映画監督マイク・ミルズとの作品を挟み、本名義での待望作。メンバーとの苦境や緊張感を乗り越え新たな角度で楽曲にアプローチをし、新たなフェーズへ突入。バンドの新たなケミストリーを見事に捕らえた全11曲収録。ええやんええやん。