映画「Chime」が2024年に販売される。
黒沢清監督の、待望のオリジナル脚本による最新作、映画「Chime」(読み:チャイム)がついに完成した。「Chime」は、主演に吉岡睦雄を迎えて、ホラーでもサスペンスでもない、まったく新しいジャンルの映画になったという。
本作は、DVT(デジタルビデオトレーディング)プラットフォーム〈Roadstead〉で来年2024年に独占販売される予定だ。
「スパイの妻」(2020年)でヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を受賞した世界的巨匠・黒沢清がオリジナル脚本で描く新作は、どんな映画になっているのだろうか? 独自の販売方法も気になるところだが、現段階では情報がまだ少ないので、続報を待とう。
MOVIE INFORMATION
Chime
監督・脚本:黒沢清
主演:吉岡睦雄
プロデューサー:川村岬/岡本英之/田中美幸
共同プロデューサー:村山えりか
製作:Roadstead
企画:Sunborn
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
INTRODUCTION
世界中に熱狂的なファンを持つ黒沢清監督の最新作は、摩訶不思議な恐怖に支配される映画「Chime」。黒沢監督と言えば、「スパイの妻」(2020年)でヴェネツィア国際映画祭・銀獅子賞受賞も記憶に新しいが、世界的に注目されるきっかけとなった「CURE/キュア」(97年)をはじめ、「回路」(2001年)、「ドッペルゲンガー」(2003年)などオリジナルのサスペンス・ホラーを送り出してきた。新作「Chime」もその系譜に属する。本作はメディア配信プラットフォーム・Roadsteadのオリジナル作品第1弾であり、〈自由に作品を制作してほしい〉というオーダーから作られた、ホラーでもサスペンスでもない、どのジャンルにも属さないながら極めて純度の高い黒沢清らしさ溢れる恐怖が描かれる。主演は、吉岡睦雄。名バイプレイヤーとして数多くの作品に出演してきた吉岡が、黒沢監督作の初主演を飾る。チャイムとは何なのか、どこから聞こえてくるのか、人を狂わせるサインなのか……。説明過多にならないことで恐怖のその先を想像させ、観客は例えようのない恐怖に包み込まれる。黒沢監督が紡ぐ、待望のオリジナル脚本作品が完成した。
STORY
料理教室の講師として働いている松岡卓司(吉岡睦雄)。ある日、レッスン中に生徒の1人、田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と、不思議なことを言い出す。事務員の間でも、田代は少し変わっていると言われているが、松岡は気にすることなく接していた。しかし別の日の教室で、田代が今度は「僕の脳の半分は入れ替えられて、機械なんです」と言い出し、それを証明するために驚くべき行動に出る。田代の一件後のある日、松岡は若い女性の生徒・菱田明美を教えていた。淡々とレッスンを続ける松岡だったが、丸鶏が気持ち悪いと文句を言う明美に、彼は──。松岡の身にいったい何が起きたのか。料理教室で、松岡の自宅で、ありふれた日常に異様な恐怖がうごめき始めたのだった……。
PROFILE: 黒沢 清
1955年生まれ。兵庫県神戸市出身。立教大学在学中より8ミリ映画を撮り始め、1983年、商業映画デビュー。「CURE キュア」(1997年)で世界的な注目を集め、「トウキョウソナタ」(2008年)で第61回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門審査員賞を受賞。「岸辺の旅」(2015年)で第68回カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門監督賞を受賞。「スパイの妻」(2020年)で第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞。
〈DVT〉=Digital Video Trading(デジタル・ビデオ・トレーディング)とは
Roadsteadの最大の特徴は、映像を数量の制限なく配信するプラットフォームと違い、オンライン上に存在する映像作品をDVD等と同じように一意・固有の〈アイテム〉として扱い、ユーザーは作品を視聴して楽しむだけでなく、第三者に転売やレンタルすることで収益を得ることができるという点です。出品される映像は例外なく数量限定で全てにシリアルナンバーが付与されており、購入した方だけが利用できる〈モノ〉です。ユーザーは動画を視聴するだけでなく、販売やレンタルを通じて流通(トレーディング)に参加することができ、その売上からは出品者に権利料が還元される仕組みになっています。ユーザーは単なる消費者ではなく、出品者の活動を経済面で直接的に支援するサポーターになることができるのです。Roadsteadでは、このWeb 3的な概念を世界初の映像流通の枠組みを〈DVT〉として広めていくことで、映像クリエーターに正当な対価と持続的な創作活動の場を提供していきたいと考えています。