“最先端”と“王道”あるいは“ブランニュー”と“キャッチー”。強いて住み分けるとしたらそんな言葉が似合う二つのジャズ・コンピレーションがタワーレコードからリリース。
まずは“最先端”で“ブランニュー”なコンピ『Family』。今をときめくPlaywrightレーベルの若手J-JAZZアーティストたちが過去のジャズの名曲をそれぞれの持ち味を100%反映させ、究極のカヴァーを試みた新録作。タワレコ限定発売。fox capture planがマッコイの《パッション・ダンス》を、bohemianvoodooがクオシモードの松岡“matzz”高廣らをフィーチュアし、ホレス・シルヴァーの《二カズ・ドリーム》を、まもなくデビューの3人組ピアノ・トリオ、PRIMITIVE ART ORCHESTRAがビル・エヴァンスの《ワルツ・フォー・デビイ》を、そしてTres-menが日野皓正の《Samba De-La Cruz》を。そしてラストはスペシャル・コラボ・メンバーによる《ルパン三世のテーマ》で盛り上げるという、まさに“旬”な一枚。
もう一つは“王道”で“キャッチー”なジャズの名曲・名演をタワー・スタッフがセレクトし、全23曲収録、2枚組¥1,500(税抜)という低価格を実現したコンピ『JAZZ EVERYBODY!』。レーベルはブルーノート、プレスティッジ、リヴァーサイドetcで、イントロ、テーマ、ソロ、エンディングが“キャッチー”度100%のジャズ・ナンバーぞろいだ。サド/メル楽団の勢いあるナンバーで幕を開け、エヴァンス、マイルス、コルトレーンらの代表曲から、タビー・ヘイズやジャズ・クインテット60などのヨーロピアン・ジャズの名演までが最良のリマスタリング音源で聴ける。勝手に歌詞を乗せて歌ってみてもOK。みんなでジャズ、誰でもジャズ。
どちらのコンピに共通しているのは“ときめき”。最近ちょっと忘れかけていたでしょう?