“最先端”と“王道”あるいは“ブランニュー”と“キャッチー”。強いて住み分けるとしたらそんな言葉が似合う二つのジャズ・コンピレーションがタワーレコードからリリース。

VARIOUS ARTISTS Family Playwright(2014)

 まずは“最先端”で“ブランニュー”なコンピ『Family』。今をときめくPlaywrightレーベルの若手J-JAZZアーティストたちが過去のジャズの名曲をそれぞれの持ち味を100%反映させ、究極のカヴァーを試みた新録作。タワレコ限定発売。fox capture planマッコイの《パッション・ダンス》を、bohemianvoodooクオシモード松岡“matzz”高廣らをフィーチュアし、ホレス・シルヴァーの《二カズ・ドリーム》を、まもなくデビューの3人組ピアノ・トリオ、PRIMITIVE ART ORCHESTRAビル・エヴァンスの《ワルツ・フォー・デビイ》を、そしてTres-men日野皓正の《Samba De-La Cruz》を。そしてラストはスペシャル・コラボ・メンバーによる《ルパン三世のテーマ》で盛り上げるという、まさに“旬”な一枚。

【参考音源】fox capture planの2014年作『WALL』PV

 

 

VARIOUS ARTISTS JAZZ EVERYBODY! ~ALL OF THE BEST JAZZ~ TOWER RECORDS/UNIVERSAL(2014)

 もう一つは“王道”で“キャッチー”なジャズの名曲・名演をタワー・スタッフがセレクトし、全23曲収録、2枚組¥1,500(税抜)という低価格を実現したコンピ『JAZZ EVERYBODY!』。レーベルはブルーノートプレスティッジリヴァーサイドetcで、イントロ、テーマ、ソロ、エンディングが“キャッチー”度100%のジャズ・ナンバーぞろいだ。サド/メル楽団の勢いあるナンバーで幕を開け、エヴァンス、マイルスコルトレーンらの代表曲から、タビー・ヘイズジャズ・クインテット60などのヨーロピアン・ジャズの名演までが最良のリマスタリング音源で聴ける。勝手に歌詞を乗せて歌ってみてもOK。みんなでジャズ、誰でもジャズ。

【参考音源】タビー・ヘイズの62年作『Down In The Village』収録曲“Down In The Village”

 

 どちらのコンピに共通しているのは“ときめき”。最近ちょっと忘れかけていたでしょう?