(左から)井上司、カワイヒデヒロ、岸本亮

ジャズ、ロック、ポストロックを横断するサウンドを軸に、映画やドラマの劇伴、さらには「第74回NHK紅白歌合戦」のグランドオープニングの音楽も手がけてきたピアノトリオfox capture plan。そんな彼らが、9月5日(金)に大阪、9月8日(月)に東京のビルボードライブで久々のワンマン公演を実施する。

公演タイトルは〈Summer’s End Special〉。ストリングスセクションを率いた特別編成に加え、シンガーソングライターのヒグチアイをゲストに迎える。今回のインタビューでは、ライブタイトルに込めた思いから、久々に立つビルボードライブの舞台、ストリングス編成での聴きどころ、そしてヒグチアイとのコラボの舞台裏、新レーベルCapturisM.の構想まで、幅広い話題について語ってもらった。


 

今回のライブでは今年ヒットした〈あのドラマ〉のメインテーマも披露予定

――まずは今回ビルボードライブに出演する心境を聞かせてください。

岸本亮「非常に楽しみでワクワクしています。最後にワンマンで出演したのは2019年くらいだったと思います。当時はゲスト出演も含めて年3回ほど出させていただいたこともあったのですが、ビルボードライブ大阪・東京でのワンマンは本当に久しぶりです」

カワイヒデヒロ「大阪も2019年に10人編成でやったのを最後にご無沙汰しているんじゃないかな」

井上司「大阪や横浜はワンマンじゃなくても出演の機会はありましたけど、東京は本当に久々です。あのロケーションと空間の雰囲気を味わえるのが楽しみですね」

カワイ「ストリングスとの共演も3年ぶりですし、ヒグチさんとご一緒するのも一昨年の年末以来。時間を経てどんなライブになるのか、リハーサルから楽しみです」

――普段、お客さんとしてビルボードライブに行かれることはありますか?

井上「何年か前にマリーナ・ショウを見に行きました」

岸本「僕は松下奈緒さんの公演を見ましたね。共演していた関係で見に行ったのですが、豪華なサポートメンバーが揃っていて〈なるほど、こういう感じなんだ〉と。ステージの配置なども参考になりました。あと、エズラ・コレクティヴを見に行こうとしたんですが、そのときはソールドアウトで行けなかったんです。最近もいい公演が続いていますよね」

井上「コモンも見たかったんですけど、チケットが取れなかった(笑)」

カワイ「僕もバート・バカラックを見たかったのですが、結局コロナの影響で来日自体が叶わず残念でした」

――今回はストリングスセクションを加えた編成ですが、どんなところが聴きどころでしょうか?

岸本「過去にもストリングスを入れたことはありますし、ホーンセクションを加えた大編成で演奏したこともあります。特に10年前に出したアルバム『BUTTERFLY』からストリングスサウンドを本格的に取り入れ始めて、そこからはfox capture planサウンドの重要な要素のひとつになりました。今回はその10周年ということもあって、久々にがっつりストリングスを取り入れようと」

井上「これまでは3人だけのコーナーを挟むこともありましたが、今回はほぼ全曲でストリングスと一緒に演奏します」

岸本「さらに、今年ヒットしたあのドラマのメインテーマも披露予定で……こういうのは言ったほうが引きになりますよね(笑)」

カワイ「しかもライブ初披露になります」

――これまで3人だけで演奏してきた曲をストリングスアレンジに変える、ということも?

井上「もちろん、やります」