“Ditto”と“Hurt”の特殊なリアレンジ
“Ditto”と“Hurt”には、かなり特殊なリアレンジが施されている。“Ditto”はカスタネットとアコースティックギターが主体で、フラメンコであったり、ブレット&バターのような海辺のシティポップであったりを思わせるアレンジに。このリミックスは、7月の〈Bunnies Camp〉という彼女たちのイベントで初披露されたが、冬のイメージを持った曲を、見事に夏の夕暮れ時に焚き火を囲む情景に変えてしまった。ミニマルな構成のトラックである上に、5人のボーカルが強調されたミックスで、彼女たちの声の魅力がより伝わるようにもなっている。終盤にオリジナル版のビートが戻ってくるのも憎い演出だ。
250にリアレンジされた“Hurt”は、愛知県で撮影された、岩井俊二的ルックが顕著なビデオと共に、1年前から公開されている。今作の音源もビデオと同様に、5人が戯れながら歌う“Ditto”の一節から始まる。ブラシで叩くドラムや、バンジョーが象徴付けるように、ブルーグラスのテイストでアレンジされている。彼のサウンドが〈安っぽい〉仕上がりになっているのは、韓国のポンチャックをバックグラウンドに持つ250独自のシグネチャーであり、それがNewJeansのインディミュージック的アティチュードと強い親和性を生んでいる。
NewJeansは音楽文化のハブとなる
先日、ドラマのタイアップとしてリリースされた“Our Night is more beautiful than your Day”は、南アフリカのアマピアノという音楽のビートを用いた素晴らしい楽曲なのだが、この曲も250によるプロデュース。フラメンコや、ブルーグラス、アマピアノと、世界各地の土着の音楽を引用したアレンジが多いが、これはミン・ヒジンと250の音楽への造詣の深さがあるから実現できたこと。NewJeansのような巨大な存在が、ヨーロッパの優れたミュージシャンをソングライターとして起用したり、このようなウェルメイドなリミックスアルバムを持って、多くの人に様々な音楽を紹介するハブとなるのは、文化的に非常に重要であり、多方面から賞賛と注目を集める理由だ。今後も、クリスマスが近づいた時期に、ファンへのギフトとしてこのような作品も届けてほしい。
RELEASE INFORMATION

リリース日:2023年12月19日(火)18:00
配信リンク:https://ingrv.es/NJWMX
TRACKLIST
1. Ditto – 250 Remix
2. OMG – FRNK Remix
3. Attention – 250 Remix
4. Hype Boy – 250 Remix
5. Cookie – FRNK Remix
6. Hurt – 250 Remix
7. Ditto – 250 Remix (Instrumental)
8. OMG – FRNK Remix (Instrumental)
9. Attention – 250 Remix (Instrumental)
10. Hype Boy – 250 Remix (Instrumental)
11. Cookie – FRNK Remix (Instrumental)
12. Hurt – 250 Remix (Instrumental)