スタジオ新録ではクレイジー・ホースとの共演が続いていたニール・ヤングだが、『World Record』からおよそ1年ぶりに届いた本作は、2023年6~7月に行ったソロ・ツアーにインスピレーションを得て、自身の過去の楽曲を弾き語りで独演する作品となった。ざっくり言ってしまえばアコースティック・セルフ・カヴァー集ということになるが、ニール的にはそれぞれの楽曲が繋がりながらアルバム全体の流れによってひとつの作品を生み出すような構成を試みたそうで、強いこだわりを窺わせる。バッファロー・スプリングフィールド時代の曲や近作『Barn』からのチョイスという並列な選曲も興味深い一作だ。