フランスを代表する映画音楽家のエリック・セラが2024年3月27日(水)~29日(金)の3日間、ビルボードライブ東京で〈An Intimate Evening with ÉRIC SERRA & RXRA GROUP〉を開催する。
エリックは59年、パリ生まれ。5歳でギターを弾き始め、15歳でジャズロックバンドを結成。17歳でスタジオミュージシャンとして50組以上のアーティストのレコーディングに参加したという。
そして77年に映画監督のリュック・ベッソンと邂逅する。場所はある歌手のレコーディングにエリックが参加した時のスタジオで、ベッソンはそのシンガーの友人だったのである。当時ともに18歳だった。
その後、ベッソンが監督を務めた短編映画「最後から2番目の男」(81年)のスコアを手がけたことで、エリックは映画音楽の道へ足を踏み入れる。この短編がベッソン初の長編映画「最後の戦い」(83年)の原型だ。
以来、ベッソンの映画のスコアのほぼ全ては彼の手による。抜粋するだけでも「サブウェイ」(85年)、「グラン・ブルー」(88年)、「ニキータ」(90年)、「レオン」(94年)、「フィフス・エレメント」(97年)、「LUCY/ルーシー」(2014年)、「ANNA アナ」(2019年)など30年近くも仕事を共にしてきた。さらに今年3月8日(金)より公開される新作「DOGMAN ドッグマン」にも期待が集まっている。
エリックはベッソンの作風について「音楽が演じる役割をきっちり決めている」と評す。また他に仕事をしたい監督についても「とにかく音楽に重要な役割を与えてくれる監督はいいと思う。たとえばスコセッシやコッポラ、スピルバーグとか」と明快だ。
フランス映画といえば、エンタメというより芸術的で少し難しいきらいもある。しかしエリックは〈フランス映画によくあることだけど、非常にインテリぶって、役者が悶々と哲学するような映画を作るような監督とはやりたくない〉と一蹴。映画の娯楽的な側面も重視する姿勢が過去の仕事にも表れているのだろう。
なお、自作で特に気に入っているサウンドトラックとして、ジャン・レノとナタリー・ポートマンが出演した名作「レオン」を挙げている。あのエスニックな打楽器とアラビックなメロディ、オーケストラが調和した音楽世界は、舞台となるニューヨークで流行っていたラップを避けつつ、街の持つ文化的な混血感、老朽化した高層ビルからピラミッドを連想したことで着想されたものだ。
さて、映画音楽家としての印象が強いエリックだが、本当に愛しているのは作曲よりトランス感覚を得られるパフォーマンスだ。自身のグループ、RXRAを引き連れた今回のビルボードライブ東京でのライブは、2016年のBunkamuraオーチャードホール公演以来、2度目の来日公演となる。長年をかけて生み出された数多くのスコアから何が聴けるのだろうか。そして前回の来日は映画の名シーンを映し出しながらの演奏だったが、今回はどんな演出が用意されているのかにも注目したい。
映画好きでなくとも、そしてファンであれば一層楽しめるであろう本公演。この機会を逃してしまったら、次の来日は再び9年後になってしまう可能性もある。エリック・セラを人生のサウンドトラックとして堪能できるラグジュアリーなひと時をお見逃しなく。
LIVE INFORMATION
An Intimate Evening with
ÉRIC SERRA & RXRA GROUP
2024年3月27日(水)、28日(木)、29日(金)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:16:30/17:30
2ndステージ
開場/開演:19:30/20:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=14727&shop=1
サービスエリア/カジュアルエリア:13,900円/13,900円(1ドリンク付)
※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります