ヌーヴェルヴァーグ・リバイバルの延長線上で公開されたような『出発』もあったが、やはり近年の映画作家スコリモフスキへの注目が集まったのは『アンナと過ごした4日間』が決定的だったように思う。その後の東京国際映画祭での特集上映、新作『エッセンシャル・キリング』の公開という後押し。本書は、爆音映画祭でお馴染みboid企画による先述した3作品に『シャウト』『ムーンライティング』の2作を加えた5作品の特集上映に際して作られた。濃密すぎる155P! 教典ともいうべき紀伊國屋映画叢書のスコリモフスキ本と同じ編者(遠山純生)であるため、内容が重複せず、異なる角度からスコリモフスキの豊かさを発見できるはずだ。