果てない銀河をさまよう救難信号を受信
サウンドプロデューサー/コンポーザー/DJと多方面での精力的な音楽活動を続けるTAKU INOUEと、ホロライブ0期生・星街すいせいによるユニット〈Midnight Grand Orchestra(以下:ミドグラ)〉が、2024年2月20日に東京・豊洲PITにて〈Midnight Grand Orchestra 1st Live「Midnight Mission」〉を開催した。
この日の豊洲PITには三面の巨大LEDモニターが鎮座し、そして〈グランドオーケストラ〉たる所以とも言える、ストリングスやコーラスも加えた豪華な生バンド隊に囲まれ、星街すいせいとTAKU INOUEの2人がステージへと降り立った。
トントントン・ツーツーツー・トントントン
まるで誰もいなくなった遠くの星から機械的に淡々と送られてくる〈SOS〉ような、アテの無いモールス信号の音が会場に鳴り響く。この救難信号は、誰のためのモノなのだろう。誰かに届くまで、果てない銀河をさまよう。偶然にも我々は今宵、豊洲PITで、そして配信で、彼と彼女からの物語を受信する。
アグレッシブな曲で航海の速度を上げ、バトルフェイズへ
重厚感のある“Never Ending Midnights”のイントロに合わせて、暗闇から青に会場が染まる。会場からは手拍子が沸き起こり、終わらない夜の幕が上がる。続く“SOS”“Midnight Mission”と緩急を付けながらもアグレッシブな選曲で、銀河を渡る航海のスピードを上げていく。
ここからは“Igniter”“Rat A Tat”“夜を待つよ”“Blackhole Dancehall”とダンサブルなチューンが続き、自然と身体が動き出し、会場からの合いの手も増えていった。特にテクニカルなツインドラムによるイントロから始まる“Blackhole Dancehall”では「みんなまだ踊れますか?」とTAKU INOUEからの問いかけに応じて、モニターにはゴーレムのような敵キャラが出現。「いやいや、まだまだイケるでしょ! みんなが大きな声を出さないとコイツが消えないみたいなんで!」と突然のバトルフェイズが始まる。「YEAH! YEAH! YEAH!」の掛け声を全力で出し切り、無事に討伐完了すると、〈アレグロ〉なるレーザーガンをドロップし、手にいれた。
〈アレグロ〉を撃ちミッションコンプリート
“Tuning (Interlude)”を経由し、“流星群”からはバラードパートへと移行。
“Starpeggio”から“ソリロキー”の流れも美しく、バイオリンやビオラ、そしてチェロがたおやかにその音色を響かせる。その間に、映し出された〈2024/02/20〉の文字がドンドン加速していき、あっという間に〈2124/02/20〉へ。
「100年経ったら変わると思っていた はぐれ星 まだ一人で歌っていた」
“ソリロキー”の歌い出しへと物語がつながっていく。
まるで深夜の賛美歌ように、多幸感溢れるコーラスに包まれ“Light The Light”を歌い上げると、「光速じゃ足りない」の歌い出しの通りに“Moonlightspeed”で再加速し、ミドグラの物語は終盤へ突入。
「最後の曲です!」とひと声だけ発し披露した“Allegro”では、先ほどの討伐ミッションでドロップした〈アレグロ〉を装備した星街が最後に巨大な光線銃で狙いを定めるのに合わせて無数のレーザーがステージを飛び交う。弾丸を込め、そのトリガーを引くと会場は光に包まれ〈Mission complete〉のポップアップウインドウが出てきた。どうやら無事に今夜のミッションは果たされたようだ。「ありがとう! また会おう!」とだけ言い残し、ステージを後にした2人。