最適解が引き出すバンドの新しい魅力
以上を踏まえて興味深いのが、“ライラック”のこのような路線が、ミセスというバンド自体の魅力をうまく引き出す方向にも働いていることだ。これまでのミセスの作品では、柔らかくしなやかな歌声と、シャープながらヘヴィな質感は前面に出さないバッキングとが、繋ぎ目となる響きをはっきり持たずに並置されていたようなきらいもあったのだが(もちろんそれならではの良さもある)、昨年10月にリリースされたMONGOL800“あなたに”のカバーで低域を大幅に厚くしたことにより、バンドサウンド全体の一体感が一気に増した感がある。
“ライラック”の音響は“あなたに”の質感を引き継ぎつつ絶妙に風通しをよくしたもので、これはミセスの音楽性における一つの最適解なのではないかとも思える。さりげなく捻られた展開(ギターソロ直後の歌パートでは、3+3+3+4、3+3+4+3、3+3+3+4、3+3+4+4という変拍子も含め、マスロック的な質感が生まれている)や、終盤のコーラスにポップパンク的な要素も忍び込ませるなど、キメラ的な成り立ちを違和感なくまとめ上げる手管も素晴らしい。聴き込むほどに味が増す名曲だ。
メタル要素が普及したシーンを表す一曲
“ライラック”のこのような音楽性は、メタル要素を活かしたポップソングという点ではOfficial髭男dism(例えば“ホワイトノイズ”ではスリップノットを意識したという)にも通ずるものだが、ヒゲダンが影響を受けたメタルは基本的には2000年代以前のものなのに対し、“ライラック”に含まれるメタル要素は2010年代以降のものが主になっている。
また、そもそもミセスのインタビューでは、ギターロックという言い方はしていてもメタルの話は出てこない。しかし、こうやって特に意識せずに今のメタルの要素を取り込んでいることこそが、音楽ジャンルとしてのメタルを聴いたことがないと思っている人もメタル的な音を耳にする機会は多い現状(Ichika Nitoのギターはその好例だろう)、メタル的な要素が今ならではの形で広く普及してきたシーンの様子をよく表しているように思われる。
そして、それは川谷絵音関連バンド(先述のIchika Nitoもichikoroの一員として関与している)など、メタルとはあまり関連づけて語られてこなかったミュージシャンがメタルの外から聴き手の耳をならしてきたからこそ実現した流れでもあるだろう。こうした文脈を示唆してくれる点においても、“ライラック”はとても意義深い楽曲なのだと思う。
“ライラック”は、エモ/ポストロック系譜のインディ音楽とメタルとが日本のポップなロックを介して自然に融合した音楽であり、それらのいずれのファン層に対しても優れた訴求力を持つ楽曲になっている。この曲がシーンやミセス自身の今後にどんな影響をもたらすことになるのか。それを目の当たりにするのが楽しみだ。
RELEASE INFORMATION
リリース日:2024年4月12日(金)
配信リンク:https://lnk.to/mga_Lilac
TVアニメ「忘却バッテリー」オープニングテーマ
TRACKLIST
1. ライラック
ANIME INFORMATION
忘却バッテリー
2024年4月9日(火)深夜24:00よりテレ東系列にて放送開始!
■放送情報
テレ東:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
テレビ大阪:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
テレビ愛知:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
テレビせとうち:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
テレビ北海道:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
TVQ九州放送:2024年4月9日から 毎週火曜深夜24:00~
AT-X:2024年4月12日から 毎週金曜20:00~
リピート:毎週火曜8:00/毎週木曜14:00
※放送日時は予告なく変更になる場合がございます
■配信情報
Prime Videoにて毎週火曜 放送直後より最速配信! さらに各種配信サービスにて毎週水曜24:30より順次配信スタート。
※配信開始日はサービスによって変動する場合がございます
■CAST
清峰葉流火:増田俊樹
要圭:宮野真守
藤堂葵:阿座上洋平
千早瞬平:島﨑信長
山田太郎:梶裕貴
土屋和季:山谷祥生
国都英一郎:大塚剛央
巻田広伸:石井マーク
桐島秋斗:河西健吾
■STAFF
原作:みかわ絵子(集英社「少年ジャンプ+」連載)
試合制作:高嶋栄充
監督:中園真登
シリーズ構成:横手美智子
副監督:飯田剛士
キャラクターデザイン:長谷川ひとみ
アクション作画監督:立中順平/徳丸昌大
美術監督:船隠雄貴
色彩設計:中野尚美
撮影監督:川下裕樹
3DCG監督:小川耕平
編集:吉武将人
音楽:菊谷知樹/山崎寛子
音響監督:名倉靖
音響効果:長谷川卓也
制作:MAPPA
オープニングテーマ:Mrs. GREEN APPLE “ライラック”
エンディングテーマ:マカロニえんぴつ “忘レナ唄”
イントロダクション
原作は集英社「少年ジャンプ+」で連載中、同アプリ内での累計閲覧数2億超えの「忘却バッテリー」(著・みかわ絵子)。2018年4月より連載が開始され、記憶喪失の主人公というユニークな設定、魅力的なキャラクターたち、高校野球のリアルな部分を描いた描写、ギャグとシリアス要素の絶妙なバランス、などが人気を博している。
中学球界で名を馳せた完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火、切れ者捕手の〈智将〉・要圭の怪物バッテリー。全国の強豪校からスカウトを受けていた彼らが進学したのは何故か野球無名校の東京都立小手指高校だった。さらに圭は記憶喪失で野球に関する知識も失っていた。そしてかつて彼らに敗れ散り野球から遠ざかっていた天才たちも、偶然同じ高校に入学しており……。巡り合い、再び動き出す彼らの高校野球ストーリーがいま始まる――!
オフィシャルサイト:https://boukyaku-battery.com/
X:@boukyakubattery
■原作情報
原作コミック「忘却バッテリー」(集英社「少年ジャンプ+」連載)最新第17巻発売中
LIVE INFORMATION
Mrs. TAIBAN LIVE 2024
2024年5月21日(火)神奈川・横浜アリーナ
開場/開演:18:00/19:00
GUEST:乃木坂46
お問い合わせ(SOGO TOKYO):03-3405-9999(月〜土 12:00〜13:00/16:00〜19:00 ※日曜・祝日を除く)
2024年5月22日(水)神奈川・横浜アリーナ
開場/開演:17:30/18:30
GUEST:キタニタツヤ/imase
お問い合わせ(SOGO TOKYO):03-3405-9999(月〜土 12:00〜13:00/16:00〜19:00 ※日曜・祝日を除く)
■チケット情報
指定席:12,000円(税込)
注釈付指定席):12,000円(税込)
立見(立ち位置指定):12,000円(税込)
※注釈付指定席、立見はお座席、立ち位置によってステージ、映像・演出の一部、演目中のアーティストが見えない場合がございます。あらかじめご了承の上お申し込みください
※4歳以上のお子様よりチケット必要/3歳以下のお子様はご入場できません(年齢はご来場の公演当日時点)
※営利目的の転売禁止
※チケット料金はお1人様の価格となります
※お1人様1公演につき2枚まで購入可能(複数公演エントリー可能)
ゼンジン未到とヴェルトラウム〜銘銘編〜
2024年7月6日(土)兵庫・ノエビアスタジアム神戸
開場/開演:16:30/18:30
お問い合わせ(キョードーインフォメーション):0570-200-888(11:00~18:00 ※日曜・祝日は除く)
2024年7月7日(日)兵庫・ノエビアスタジアム神戸
開場/開演:16:30/18:30
お問い合わせ(キョードーインフォメーション):0570-200-888(11:00~18:00 ※日曜・祝日は除く)
2024年7月20日(土)神奈川・横浜スタジアム
開場16:30 / 開演18:30
お問い合わせ(SOGO TOKYO):03-3405-9999(月~土 12:00~13:00 / 16:00~19:00 ※日曜・祝日を除く)
2024年7月21日(日)神奈川・横浜スタジアム
開場/開演:16:30/18:30
お問い合わせ(SOGO TOKYO):03-3405-9999(月~土 12:00~13:00 / 16:00~19:00 ※日曜・祝日を除く)
■チケット情報
指定席:12,800円(税込)
※雨天決行・荒天中止
※4歳以上のお子様よりチケット必要/3歳以下のお子様はご入場できません(年齢はご来場の公演当日時点)
※営利目的の転売禁止
※チケット料金はお1人様の価格となります
※お1人様1公演につき2枚まで購入可能(複数公演エントリー可能)
PROFILE: Mrs. GREEN APPLE
大森元貴(ボーカル/ギター)
若井滉斗(ギター)
藤澤涼架(キーボード)
2013年結成。2015年、EMIからミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。以来、毎年1作のオリジナルアルバムのリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー〈エデンの園〉は東名阪公演(8万人動員)が即日ソールドアウト。メジャーデビュー5周年となる2020年7月8日に初のベストアルバム『5』をリリースし、オリコン週間合算アルバムランキング、Billboard JAPAN総合アルバムチャートにて1位を獲得。同時に〈フェーズ1完結〉を宣言し突如活動休止を発表。約1年8か月の活動休止期間を経て現在のメンバー編成となり2022年3月に〈フェーズ2開幕〉とし活動を再開。同年7月8日にミニアルバム『Unity』をリリースするとともに一夜限りの復活ライブ『Utopia』を開催した。その収録曲“ダンスホール”は自身最速で楽曲総再生数が4億回を突破している。また映画「ONE PIECE FILM RED」に劇中歌“私は最強”を提供、11月9日に映画「ラーゲリより愛を込めて」の主題歌“Soranji”をリリースした。第64回日本レコード大賞において“ダンスホール”で優秀作品賞を受賞した。結成10周年を迎えた2023年は『Attitude』以来4年ぶり、5作目のオリジナルフルアルバム『ANTENNA』を7月5日にリリース、7月8、9日にさいたまスーパーアリーナ、7月15、16日に大阪城ホール、8月3、4日にAichi Sky Expoにて自身最大規模のアリーナツアー〈Mrs. GREEN APPLE ARENA TOUR 2023“NOAH no HAKOBUNE”〉、さらに8月12、13日には初のドームライブ〈Mrs. GREEN APPLE DOME LIVE2023 “Atlantis”〉を埼玉・ベルーナドーム(西武ドーム)で開催した。第65回日本レコード大賞において“ケセラセラ”でレコード大賞を受賞、「第74回NHK紅白歌合戦」への初出場を“ダンスホール”で果たした。2024年1月に映画「サイレントラブ」の主題歌“ナハトムジーク”をリリース、4月12日に最新シングルとしてTVアニメ「忘却バッテリー」のオープニングテーマ“ライラック”をリリースした。主要ストリーミングサービスにおいて“Magic”“ケセラセラ”“Soranji”“私は最強”“ダンスホール”“ブルーアンビエンス(feat. asmi)”“青と夏”“点描の唄(feat. 井上苑子)”“インフェルノ”“僕のこと”“ロマンチシズム”“CHEERS”“WanteD! WanteD!”“春愁”“StaRt”の15曲が総再生数1億回を突破(“青と夏”“点描の唄(feat. 井上苑子)”は5億回、“インフェルノ”“ダンスホール”は4億回、“僕のこと”“ケセラセラ”は3億回を突破)するなどリリースした楽曲の総再生数は60億回を越えている。(再生回数は2023年12月31日時点)。
オフィシャルサイト:https://new.mrsgreenapple.com/
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■Instagram
大森元貴:https://www.instagram.com/motoki_ohmori_mga/
若井滉斗:https://www.instagram.com/hiloto_wakai_mga/
藤澤涼架:https://www.instagram.com/ryoka_fujisawa_mga/