UKロックのヒーローたちは映像作品の世界でも活躍中!
レディオヘッドにおいてトム以上に劇伴作家として成功しているジョニーは、特にポール・トーマス・アンダーソンとの仕事が名高いが、リン・ラムジー監督作の本サントラもチェックしておきたい逸品だ。“Nausea”などシンセ・ウェイヴ~EBM的なサウンドが新鮮。
ブラーのグレアムはNetflixドラマ「このサイテーな世界の終わり」でサントラ初挑戦。ギターの爪弾きと朴訥な歌が中心で、彼のソロ作としても楽しめる。なおグレアムは同じくネトフリのドラマ「ノット・オーケー」に出てくる架空のバンド、ブラッドウィッチの音源も制作。
パルプのジャーヴィス・コッカーはBBCドラマ「産婦人科医アダムの赤裸々日記」でサントラ初挑戦。全体的にはカームでスロウな作風だが、突如グラム・ロック調の“Job Description”が飛び出したり、一筋縄では行かない感じがこの人ならでは。
スーパー・ファーリー・アニマルズのグリフは本作でサントラ初挑戦、ではなく2度目の劇伴制作。滋味深い歌モノ、クラシカルな小品や長尺のアンビエントなど音楽性は幅広く、特に優美なチェンバー・ポップ“I Want My Old Life Back”は聴き逃し厳禁の名曲!
「虎に翼」の劇中歌での歌唱も話題のスチュアート・マードックが率いるベル&セバスチャン。この10作目は同名映画のサントラになっており、インストや初期曲の再録音なども収録。上品でセンティメンタルな旋律の数々にはジョン・ブライオンっぽさを感じたりも。
こちらは〈架空の映画サントラ〉として作られた一枚。オーシャン・カラー・シーンのギタリストによるインスト集で、フェアポート・コンヴェンションや70年代のデヴィッド・クロスビーを思わせる、ジャジーでサイケデリックなサウンドスケープに引き込まれる。