レディオヘッドのトム・ヨーク&ジョニー・グリーンウッド、ドラマーのトム・スキナーによるバンドの2作目。パンキッシュな前作とは異なり、ニック・ドレイク的な美しさを湛えたジャジー・フォークの表題曲、ヒプノティックな“Teleharmonic”、シカゴ音響派のポスト・ロックを思わせる“Read The Room”など、序盤から柔らかな音に魅了される。クラウトロックやグランジに接近した激しい演奏も聴かせつつ、オーケストラや鍵盤を中心に作られた空間は優雅で居心地が良い。ソングライティングの質にも磨きがかかっており、あえて別隊の作品を出すならば『In Rainbows』と並べたいアルバムだ。