Page 2 / 4 1ページ目から読む

カウンターをぶち込む

 このアルバムが、KMをプロデュースに招いた“YDK”でスタートすることにも驚かされた。梅田は強烈なバックグラウンドや享楽的なメッセージよりも、〈ラップ・スキルの精度〉をひとつのモットーにしてきたクルーであり、特に前作『RAPNAVIO』はそのイメージを増幅させた作品だった。そこから派生する〈クリーンなイメージ〉と、彼ら自身の自己イメージとの乖離から生まれるフラストレーションが、この“YDK”ではテーマになり、彼らのマインドを投影している。

 「メジャーに進出することで、良くも悪くもいろいろな変化があったし、そういったものへのカウンターは、今回のひとつのテーマかもしれないですね。『RAPNAVIO』では、短い小節でパスしていくような〈集団芸としてのラップ〉が印象に残ったと思うけど、そこで手に入れた武器を今回で言えばもっと細かくパスしていく“スイッチ”で取り込みつつ、BACHLOGICプロデュースの“Odd Numbers”でやっているように、長いヴァースを取ってそれぞれのスキルを明確にしようと。だから集団芸の楽しさと同時に、濃厚なラップをカウンターでぶち込むっていう、梅田が培ってきたものをより高次元で結着させた作品やと思います」(テークエム)。

 「カウンターという意味では、前作でやり逃したことや不足分を的確に補ったイメージですね。梅田サイファーという現象のなかで、自分やそれぞれが提示したいことって何やろなと考えたら、やっぱりそれは〈ラップで周りの連中をどう上げるか〉〈自分のラップ力はどうなのか〉やったんです。それを改めて濃厚に提示したのが今回やし、その想いを共有してたから、〈みんなラップうめえ!〉〈うぜえ! 負けられねえ!〉と(笑)。いままででいちばんしんどくもあり、楽しい制作でしたね」(KOPERU)。