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Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

やるときはとことん振り切るサザンの美学

ライブ後半は“東京VICTORY”からスタート。5万人とコールアンドレスポンスを交わしながら、ミラーボールが回るステージで高らかに音を鳴らすサザン。“ジャンヌ・ダルクによろしく”と同じく、日常を生きる人たちを鼓舞する曲として、ライブビューイングの観客含むすべてのオーディエンスに活力を与えた。

“真夏の果実”ではイントロが鳴った瞬間に会場からどよめきが起こる。そんな不朽のバラードから一転、“恋のブギウギナイト”では、それまで温存されていた無数のレーザーが飛び交うド派手な演出に目を奪われる。ダンサーから特効まで、全部乗せのステージはワンマン、フェス関係なく興奮必須だ。斎藤のギターカッティングと打ち込みのリズムが小気味よく絡みあう、進化を続けるサザンの最新EDMディスコがひたちなか全体を踊らせる。

Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

踊り狂う会場をさらに盛り上げるべく、“LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜”“マチルダBABY”“ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)”と名曲が続く。“LOVE AFFAIR〜秘密のデート〜”では、ひたちなかにいながら横浜の潮風を感じ、“マチルダBABY”では火柱が高く上がる。今日一日、同じステージを見続けているはずなのに、眼前には曲毎に異なる世界が広がっていく。

哀愁漂うメロディで〈夏フェスは暑すぎて おじいさんとおばあさんはgoodbye〉〈行かないでサザン 泣かないで渋谷さん〉と桑田が歌うと、そのまま“みんなのうた”へ突入。いきなりAメロから始まったかと思えば、もちろんお馴染みの放水も忘れない。すでに陽も暮れ、肌寒いひたちなかに今日イチの歓声と熱狂が巻き起こる。

Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

そして熱狂は本編ラストの“マンピーのG★SPOT”で頂点を迎えた。これまたお馴染みのイントロ前の導入映像ではロッキンのロゴが使われ、徐々に迫りくる〈G〉の文字の大群に観客は雄叫びを上げる。エロスとハードロックを絶妙なバランスで融合させたポップチューンではあるが、丁寧ながら曲の淫らさを演出する関口和之のベース、激しいサウンドの合間にアクセントを加える野沢秀行のパーカッションと、聴きごたえもバッチリな楽曲だ。再び登場したセクシーなダンサーたちも含め、やるときはとことん振り切る。こうしたサザンの美学にみな憧れるのだ。

Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

アンコールの声に呼ばれて、再びステージに登場したサザンの5人。「もっとやりますかー!」という桑田の叫びとともに聞こえてきたのは、“希望の轍”のあのイントロだ。待ってました!と飛び上がる5万人。笑顔で口ずさむ者もいれば、まもなく終わるライブに寂しさを感じているであろう者もいた。きっとこの時点で、誰もが今日という一日を忘れないと決意したに違いない。

 

Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

 

まだまだサザンの夏は終わらない

最後に披露されたのは、バンドの始まりの曲“勝手にシンドバッド”だ。ここまで披露されていなかっただけに、誰もが予想していたであろう楽曲だが、またまた今日イチの熱狂が更新されていく。サンバのコスチュームを身に纏ったダンサーから花火の特効、さらにはヤバイTシャツ屋さん、ももいろクローバーZ、緑黄色社会、Creepy Nuts、WANIMA、THE YELLOW MONKEYと当日の出演者全員までが飛び出してくる。まさにお祭り騒ぎなステージは、間違いなく今後二度と見ることができない光景だ。興奮 × 熱狂 × 感動が掛けあわさって生まれる至福のライブとなった。

「またどこかでお逢いしましょう!」――そう、あくまで今日はサザンにとって〈最後の夏フェス〉のステージだったのだ。決してバンド自体が歩みを止めるわけでない。むしろニューアルバムのリリースも控えているとあって、5人はこれからさらにギアを上げていく必要がある。まだまだサザンの夏は終わらない、ということだ。

夏フェスの未来を後進に託したサザンオールスターズ。次はいつ会えるのか、きっとそう遠くない未来で再会できるはずだ。

Photo by ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA

 


SETLIST
サザンオールスターズ @ ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA
1. 女呼んでブギ
2. ジャンヌ・ダルクによろしく
3. My Foreplay Music
4. 海
5. 神の島遥か国
6. 栄光の男
7. 愛の言霊(ことだま)~Spiritual Message~
8. いとしのエリー
9. 思い過ごしも恋のうち
10. 東京VICTORY
11. 真夏の果実
12. 恋のブギウギナイト
13. LOVE AFFAIR~秘密のデート~
14. マチルダBABY
15. ミス・ブランニュー・デイ(MISS BRAND-NEW DAY)
16. みんなのうた
17. マンピーのG★SPOT

ENCORE    
1. 希望の轍
2. 勝手にシンドバッド

セットリストプレイリスト:https://taishita.lnk.to/SASRIJF2024