クロスロード・センターを支援するためのチャリティー・コンサート、豪華ゲストを迎えて4年ぶりに開催!
来年80歳となるエリック・クラプトンだが、10月に新作『ミーンホワイル』が届き、4月に来日決定と、引退はまだ先のようだ。彼が3~5年毎に主催してきたクロスロード・ギター・フェスティヴァルも毎回最後と言いつつ、昨年9月に第7回が行なわれた。このフェスは麻薬や酒への耽溺に長年苦しんだ男が社会への恩返しに、98年にカリブ海のアンティガに私費を投じて開いた中毒患者の更生施設クロスロード・センターの運営資金のため、その翌年に始められた。主催者の音楽性を反映してブルーズが大きな存在感を放つも、あらゆるジャンルの名ギタリストがずらりと揃うギター天国とでも呼びたいイヴェントだ。その昨年の模様が、DVD 2枚組、CD 4枚組+ブルーレイ2枚組、LP 6枚組、そしてデジタル配信という様々な形式で発売される。
この23年版は世代交代を強く印象付ける。B.B.キングらの大先輩たちは既に亡く、ジェフ・ベックのように同世代にも先に逝く人たちが出てきた。今回の出演予定にはバディ・ガイとロビー・ロバートソンもいたが、80代後半のバディは体調不良で取りやめ、ロビーは前月に亡くなった(クラプトンはザ・バンドの“同じことさ”で親友を追悼した)。今やブルーズ勢の中心的存在はゲイリー・クラークJr.で、ギター演奏に加え、カーティス・メイフィールドばりのファルセットを交えての歌唱で素晴らしいパフォーマンスを聞かせ、同じテキサス出身の古参ジミー・ヴォーンと、彼の亡き弟スティーヴィ・レイの曲で共演する。場をさらったのは、エリック・ゲイルズだ。50歳にして40年のキャリアを誇り、同じ左利きのジミ・ヘンドリックスを思わせる強烈な演奏を聞かせる。フェスを通して何度も顏を出し、〈ペダル・スティールのジミヘン〉ロバート・ランドルフとはジミヘンの“フォクシー・レイディ”で共演した。
アコギ好きには、デル・マッコーリー・バンドに〈世界一のドブロ奏者〉ジェリー・ダグラスらが加わってのブルーグラス・セッションがある。その花形は若き凄腕女性奏者、モリー・タトルとマンドリンのシエラ・ハル。鮮やかに演奏するフィドル・チューン“ソルト・クリーク”にはロック親父も大喝采だ。
他にも多彩な女性の活躍が目立つ。これまではサマンサ・フィッシュのようなバリバリとギターを弾くブルーズ・ウーマンが大半だったが、マイケル・ジャクソンとの共演で有名なジュディス・ヒルがギター・ソロも聞かせつつの熱唱で観客を驚かせたし、やはりR&B系のH.E.R.もギタリストとしての実力を発揮し、自作に加え、L・クラヴィッツのロック曲“自由への疾走”で会場を総立ちにさせる。
また、ウォールフラワーズは、ジェイコブ・ディランが60~70年代の〈ローレル・キャニオン・サウンド〉を探究した映画「エコー・イン・ザ・キャニオン」を再現するように、ロジャー・マッギン、スティーヴン・スティルズを迎え、それぞれバーズ、バッファロー・スプリングフィールドの代表曲を演奏した。主催者も加わるバーズの“エイト・マイルズ・ハイ”はジョン・コルトレーンに影響された曲だが、クラプトンがモーダルな曲でソロを弾くのは珍しい。コルトレーンといえば、サンタナとジョン・マクラフリンが数十年ぶりに舞台上で共演して“至上の愛”を演奏する歴史的再会もある。
LIVE INFORMATION
エリック・クラプトン来日公演決定!
黒澤楽器店 MARTIN GUITAR Presents
ERIC CLAPTON LIVE AT BUDOKAN 2025
2025年4月14日(月) 日本武道館
開場/開演:18:00/19:00
2025年4月16日(水) 日本武道館
開場/開演:18:00/19:00
2025年4月18日(金) 日本武道館
開場/開演:18:00/19:00
2025年4月19日(土) 日本武道館
開場/開演:16:00/17:00
2025年4月21日(月) 日本武道館
開場/開演:18:00/19:00
2025年4月24日(木) 日本武道館
開場/開演:18:00/19:00
https://ericclapton2025.udo.jp/
CINEMA INFORMATION
劇場版「クロスロード・ギター・フェスティヴァル 2023」公開決定!
ギター・ミュージックの現在・過去・未来をひとつのステージに集めた、他に類を見ない音楽イベント
2025年1月31日 109シネマズプレミアム新宿ほか全国公開決定!
https://malibu-corp.com/crossroads